いつの間にか日本字幕付きで配信になっていた「回來的女兒」。12集と短いし、少なくとも真相が薄皮を剥ぐように明らかになっていく中盤まではとても面白い。でも全ての真相を知って(日本語字幕付きで)もう一度1話から見直してみると…怖かった(汗)。
ここから先はストーリー序盤のネタバレが含まれます。ご注意ください。
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“消えた”子供
「我が子が消えた」ことをテーマにした中国ドラマ・映画は案外多い気がする。24年に配信された「看不见影子的少年」もそうだったし(あのドラマでは実際に90年代に誘拐され行方不明になった子ども達の写真がエンドロールに使われていた)、陳可辛(Peter Chan)の映画「親愛的(邦題:最愛の子)も誘拐された子供を取り戻そうとする話だった。
このドラマも90年代まで多かった子どもの誘拐事件(同じテーマのドキュメンタリーによれば、多くの場合地方に売られ無給の労働力兼花嫁にされたりするらしい)を背景にしている。誘拐された子どもは余りに幼く自宅の記憶も朧げなため、成長して誘拐の事実を知っても実家に戻れることは少ないのだそうだ。
「ホームシック」というタイトルはあんまり正しくないような…
邦題の「ホームシック」はドラマの英文名そのままだけれど、お話の内容からすると正確ではない。主人公・陳佑希(张子枫 飾)は自分の家に帰ろうとして施設を出奔したわけではないからだ。
一足先に施設を卒業し、とある家庭で働いていたはずの親友・小秀が「この家には秘密がある」という手紙を残して失踪した。陳佑希は施設を脱走し、小秀を捜そうと一家の許を訪れる。
小秀が働いていた家は夫婦と息子の三人家族だが、妻は浮気し、夫はそれを観て見ぬふりをし、息子には精神障害があってレイプ犯の疑いを掛けられている。
陳佑希はこの一家の「幼くして失踪した娘」のふりをしてこの家に入り込み、小秀を慕う青年程威(郭丞 飾)と共に小秀の行方を捜そうとするが…。
というのが序盤のストーリー。この一家の母親は浮気をしているらしいが父親は観て見ぬふり。息子は幼い頃精神障害を患い、近隣を騒がせているレイプ犯なのではないかと疑われている。
陳佑希の無謀な計画は案外すんなり行っていってしまい、彼女は一家に引き取られることに。13年も行方不明になっていた娘、しかも何処にいたのかも何をしていたのかも言わない娘を父親は当然のように連れ帰り、母親は疑うような眼差しを向けるだけで何も言わない。
如何にも怪しいこの家に乗り込んだ陳佑希。「消えた娘」だという苦しい言い訳を、抗うことなく受け入れるこの一家にはどんな秘密があるというのだろう?
主な謎は2つ
お話のポイントは2つある。
①消えた小秀の運命は?誰が彼女に何をしたのか?
②13年前、行方不明になった女児はどうなったのか?
陳佑希には施設の追手が迫るし、相棒の程威はいい奴だけれどあんまり頼りにはならない。
俳優さんたちはどの人も上手で、セットや衣装、小道具などに90年代の雰囲気(といってもよく知らないけれど、観ているとそんな感じ)が色濃く出ている。サスペンスものの舞台になる年代に1990年代が多いのは、中国の視聴者にとって何処かノスタルジアを感じさせる年代なんだってことなのだろうか。日本でいえば昭和30年代くらいのイメージ?
代旭が出演していてちょっとお得な気がする
程威の従兄で警官の程旭を代旭が演じている。
代旭Dai Xuは「夢華録」の衙内(女主と反目する、沢山の子分を連れていてちょっと間抜けなお金持ち)「招揺」の謎のヴィラン、「無証之罪」の卑怯な弁護士の卵…などを演じている俳優さんだ。
とんでもなく悪い悪人からコメディロールまで役柄の幅が広い人だけれど、今回は生真面目な警官役。程威たちのことをとても心配してくれるいい人。
代旭が出演していると、普段スルーするようなドラマでも少し覗いてみようという気になる。今回は目立つ役ではないのだけれど、ちょっとしたお芝居が印象を残す、存在感のある俳優さんだ。
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後半、早々に謎が推測できてしまうところがアレだけど、改めて観ても、ごく普通の暮らしの中に深い闇が感じられて、背筋が寒くなる本作。短めのドラマなので、お時間があれば是非。
題名:回來的女兒 回来的女儿 Homesick ホームシック 戻ってきた娘
導演:吕行「無証之罪」
編劇:潘依然「漫長的季節」 田金 陈骥
出演:张子枫 Wendy Zhang Zi-feng 王砚辉 梅婷Mei Ting 郭丞 代旭