「折腰」面白い。面白いんだけど他に「開始推理吧」「天賜的声音」もあるし「淮水竹亭」もまだ見終わってないし「蔵海伝」も始まって時間がない!…嬉しい悲鳴ではあるんだけど、何でこんなに重なるのか(泣)。あ、「紫川第2季」も金曜開始だって…。
それはともかく「折腰」は架空歴史故に地理関係が分かりにくくて、混乱気味。ちょっと整理してみた。
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三国志っぽい歴史設定
架空歴史ではあるけれど男主・魏劭(刘宇宁 飾)の治める国が「魏国」だったり、女主の名前が「小喬」(宋祖儿 飾)だったり(従姉は「大喬」)、何となく三国志演義を思わせるような名前が並ぶ。中原の状況もどうやら小国乱立。後漢末期~三国の皇帝がいるんだかいないんだかよく分からず、あちこちで各勢力が小競り合いを起こしている、そんな様子を思い起こせばいいようだ。
それぞれの勢力が収める地の呼び名が「州」と「国」が混ざっているのも、三国志を思い起こさせる。魏だけ「国」ってことは早々に旧王朝から独立した、ということなんだろうか?
中原にはいくつの勢力がある?
中原の様子は第一集で軍師・公孫羊(魏子昕 飾)が説明してくれる。でも地図が登場するのはこの一回だけなので、よく頭に入れておかないと後々混乱する。
軍師曰く中原は「鹿の形」…どっちかというとキリンビールの麒麟の形に見えるけど。
・焉州(鹿の首) 小喬の実家「喬家」が治める地。魏国から見て北西。
喬家は康郡が本拠地。
・魏国(鹿の腹) 魏劭の治める国。南に広がる。
父祖の地は漁郡(磐邑からは山を挟んで南東)。
・良崖(鹿の前脚)小喬にプロポーズしていた良崖世子・劉埮の父が治める地。
魏国の西側で焉州の南にあたる。
・辺州(鹿の背骨)陳翔とその妻・蘇娥皇(宣璐 飾)が治める地。魏国の北東。
14年前魏国に攻め込んだのも辺州。首都は丹郡で、かなり北にある。
中原はこの4つの勢力が争っている状態にある。
磐邑ってどこ?
これら4つの勢力全てと接しているのが「鹿の心臓」磐邑という地域(焉州に属する)。
ドラマ冒頭で魏劭が辺州から奪還した「辛都」は磐邑のすぐ南。小喬の祖父が作った「永寧渠」という運河は焉州・磐邑の東にある兪山から湧く水を磐邑を通って魏国・辛都まで運ぶ。
祖父は「魏国に水を、焉州に兵を」というつもりで運河を作り魏国と盟友となったものの、14年前辛都に辺州が侵攻した時には逆に援軍を要求されることになった。地勢から見て、辛都が落とされれば運河を渡って磐邑に侵攻するのは簡単であり、祖父が巻き込まれるのを恐れて兵を送らなかった気持ちも分からなくはない。
兵力に劣る焉州はその後長男の嫁を良崖からもらったり、辺州と盟約を結んだりしていたようだ。小喬が良崖の世子との縁談を嫌がっていたのは、本人が猞猁(辞書を引くとオオヤマネコのことだと書いてるんだけど、結婚の贈物にする習慣なのかは不明)と偽って鼠鼬(イタチ)を贈るような男だから、というのもあるだろうが、余りに良崖と結びつきが強くなると辺州とのバランスを失って攻め込まれるかも(或いは良崖がなし崩しに焉州を自領に取り込もうとするかも)、というのもあるだろう。
14年後、魏劭は辛都奪還の為挙兵、続いて焉州へ兵を進め祖父・父・兄の仇である喬家を滅ぼそうと目論んでいた。小喬の祖父は魏国の徐太夫人と密約を交わし、孫娘の大喬を魏劭に嫁がせ、焉州の出入り口ともいえる磐邑を魏国に譲ることで焉州への侵攻を防ごうとする。ところが大喬には想い人がいたため、出奔。小喬が身代わりとなって嫁ぐことになる、というのがドラマ冒頭のストーリー。
魏国と焉州が結ぶと中原の真ん中を貫く勢力ができてしまうわけで、中心に向けて侵攻したい辺州や良崖にとっては全くありがたくない事態。特に辛都を取られてしまった辺州としては、他の3つの勢力に侵攻する足場を失ってしまうことになり、早急に取り戻す必要がある、ということのようだ。
他の地域は何処に在る?
ちなみに小喬の従姉と馬丁の青年・比彘(周陆啦 飾)が駆け落ちして落ち着いた先は博崖。博崖は兪山を挟んで磐邑の東にある。そもそもは辺州に属す場所だけど、徴兵が余りに重なり比彘が統領となって独立してしまった。磐邑を差し出してもここに焉州の飛び地みたいな場所ができるのは、魏国にとっては面白くないだろう。
魏国内に目を向けて見ると、飢饉で苦しんでいる「容郡」は魏国のずっと南の下の方に位置する。永寧渠のある河とは繋がっているけれど、容郡の手前にある翰郡までは流れが太いのに、容郡に至ると川端が狭くなっている。小喬が言っている「灌漑工事」は運河を作るというより川幅を広げて水量を上げようということだと思われる。ただ、総延長はものすごく長い。
また、翰郡の郡主は好戦派で魏劭と対立している叔父・魏典であり、一筋縄ではいかないだろうと予想される(糧食も送ってくれなかったし)。容郡は辺州と国境を接しており、守備的な要衝でもある。魏劭が危惧する「焉州との仲がこじれたら(水を止められて)辺州への威圧もできなくなる」というのもうなずける。
説得力のある世界観
「仇の家に嫁入りする」とか「好きでもない相手と結婚する」という古装劇はこれまでにも沢山作られ、テーマ的に新味があるとは言えない。二人が協力して外圧や内部の敵を排除する、というのもありふれてはいる。ただ、このドラマが面白く感じられるのは、きちんと設計された世界観に裏打ちされて物語が進行するから、だと思う。
小喬の言っていることにも地理的・政治的に無理がないし、魏劭が躊躇うのにもちゃんと理由がある。説得力のあるストーリーが展開するので、女主の聡明さや、魏劭の国の長としての悩みにも共感できるし、血肉が通っているように感じられる。それが二人の距離が徐々に縮まっていく恋愛の過程にもうまく反映されているように思う。
原作はいわゆる転生ものらしく、女主が人生を巻き戻し前世では「殺される/殺す」という関係だった男主と国を平定してゆく物語だそうだけど、ドラマ版の物語の方が正直好み。
曲者が次から次に登場する中盤、どんな風に物語が展開していくのか分からないけれど、先が楽しみだ。
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題名:折腰 The Prisoner Of Beauty
原作:蓬莱客「折腰」
編劇:南镇(「傳聞中的陳芊芊(邦題:花の都に虎われて」)
導演:邓科(総導演)(「与凰行」)高琮凯(「離人心上」) 王奕丁
出演:宋祖儿 Lareina Song Zuer 刘宇宁 Liu Yuning 宣璐 Lulu Xuan Lu
刘端端 Liu Duanduan