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「赴山海」の分からない処を調べてみた(~16集)

すごく楽しみにしていた「赴山海」。…思っていたのとちょっと違う。

原作が武侠ものの名手・温瑞安なんで本格武侠を楽しみにしていた人たちには、ぴらぴらの衣装と設定が違和感だろう。ラブロマンスよりを期待していた人は、いつまで経ってもそうした要素がないことに失望を覚えるかもしれない。

元の小説「神州奇侠」を知らないと話について行けないのも難点だ。原作を今から読む技量はないので、せめてあら筋と登場人物の元々の設定くらい分かればもっと見やすくなるかも!と思って調べてみた。

但し小説を読んでいるわけではないので百度百科、中文版Wiki、漫画版のあらすじなどからの情報をまとめたものです。間違ってたらごめんなさい。

ここから先はドラマ序盤のネタバレが含まれます。ご注意ください。

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「赴山海」微博より 微博覗くと誰向け?と疑問を呈したくなりますが…

ドラマの設定

正直、まずここで躓いた。…「魔典」って何(泣)?

 

神州奇侠」の二次創作(改編と言っているけど、二次創作という理解でいいのかな?)を手掛けている現代の青年、肖明明(成毅 飾)。武侠小説の大ファンだが、ある日突然「神州奇侠」の世界に放り込まれ、浣花剣派掌門になることを魔典システムに強制される。「神州奇侠」の主人公・蕭秋水として「神州奇侠」の世界で生きることになった肖明明は、小説の知識を活かしつつ蕭秋水に降りかかる悲劇を防ぎ、武術書「忘情天書」を手に入れようとするのだが…。

 

豆瓣によれば肖明明はラフなアウトラインを入力するとユーザーを主人公に見立てて物語に仕立ててくれる没入型システムを使って小説を書いており、どうやらこれが「魔典」。…魔典の説明はすっきりしないけど、あらすじを自分で決められる自由度の高いバーチャルゲーム、的なものだと考えておけばいいのかも。

肖明明が入り込んでしまった世界では、本当に傷つき血も流れる。最初は武術が全くできなかった肖明明も、蕭秋水に成りきれば秘技も連発できるようだ。その辺りの設定は割と甘くて観ていて混乱する。

 

主人公・蕭秋水はどんな人?

元の小説の主人公・蕭秋水はどんな人物か、というのはドラマの最初に超簡単に紹介されるが、もう少し詳しく知りたい…けど、情報があんまりない。

 

浣花剣派の三男で「神州結義」の首領。父・蕭西楼と一族は英雄・岳飛の母(ドラマでは呉夫人/「天下英雄令」を所持)を庇って亡くなった。「無極仙丹」を飲んで内力が高まり、また少林・武当・権力幇・朱大天王ら八大高手の手ほどきを受け「少武心経」を習得、後に三大侠客から「忘情天書」を授けられ一大宗師となる。(中文版Wiki

 

つまり友人四人と「義を重んじ世を立て直す」団体を設立したものの、権力幇に友人を殺害され一族を滅ぼされ、どん底に。その後「無極仙丹」「少武心経」を得、江湖の高手から奥義書を手に入れ、最終的に全武林に命令できる「天下英雄令」をゲット…というのが大きな流れのようだ。

権力幇は江湖の隅々にまで入り込んでいるので身内や友人からも寝返る者が続出…というのも物語の特徴みたい。一方で敵役も単なるヴィランではなく友誼を育んだり、教えを受けたり。その辺りの機微は如何にも武侠もの。

そのままでも十分面白そうなストーリーだけど「現代から時空を超えて来た青年」というメタ視点を加えたことで、複雑さに拍車がかかっている。

 

ストーリーにはいろいろ改編が加えられているようで…

微博等ではかなり話題になっているようだけれど、小説を読んでいるわけではないのでその是非についてはよく分からない。

ただ、このドラマが若者に人気のある成毅のアイドル的な側面に重きを置いたのだろうことは推測できる。武侠ジャンルはそもそも視聴者の大半が男性だけれど、このところ大きな成功作は出ていない。神仙ものにありそうな淡い衣装を用意し何度も衣装替えするのも、武侠ものを見慣れない若い女性に取っつきやすいように考えられたのだろう。メタ視点もその一環だろうと推測できる。

 

それが成功しているかというと…なかなか難しい。成毅のアクションシーンは素晴らしいし、それが多いのは嬉しい。主人公が蕭秋水になりきってストーリーが進む分にはそれなりに楽しく見えることができる。ただ急に入ってくるメタ視点は唐突で、ストーリーを分かりやすくする意味は余り果たしていないように見える。

…脚本家の多さを見ると、途中で迷走したり手直しが重ねられたりしたのではないかとも思えてくる。微博の一部で論争になっていたけれど、こうしたストーリーの改変には役者さんは関係ない。ストーリーはプロデューサー、監督、脚本家らが決めるもので、役者さんにその責がないことは、ドラマ制作現場を知っている人間として申し添えておきたいです。

 

登場人物情報まとめ

このドラマ、確かに登場人物が半端なく多くて関係が混乱しがち。おまけにテロップが超見づらい上に短い。長い物語を縮めているだけに、個々の登場人物の説明も不足しがちなんで整理しました。そのお陰で個人的にはずっとストーリーが理解しやすくなった。

でも名前を先に知ってしまうと、ネタバレになりそうな気も。お気を付けください。

役者さんの名前の横にごちゃごちゃ書いてあるのは、自分が思い出す用のメモなのでお気になさらず(笑)。

「赴山海」微博より システムとお別れした後の方がずっと面白いです

▼「錦江四兄弟」(「神州結義」の初期メンバー4人)

神州結義」は最初の方で肖明明がびびっていた義兄弟の誓い及び団体のこと。

ドラマだとボスの蕭秋水と唐柔以外あんまり印象がない4人組。でもそれなりにお話に絡むようなので名前を覚えておいて損はない。小説後半ではもっと人数が増えるようだけど、ドラマではどうするんだろう?

・浣花剣派 蕭秋水(首領) 流派の名前は地名から。成都浣花湖畔が本拠地。

・海南剣派 鄧玉函(李俊逸 飾/成毅としょっちゅう一緒に出演している方) 

流派の由来は海南島に本拠地があるから。

・鷹爪門  左丘超然(程相 飾/「南部档案」「呉邪私家筆記」で小哥役らしい)

      鷹爪王と天下第一の捕吏の弟子。

・唐門   唐柔(赵华为 飾/映画「天龍八部之喬峯傳(シャクラ)」で段誉役)

唐門という流派は武侠小説でよく見かけるけど、大抵暗器と毒が専門。唐柔は暗器使いではあるけど、誇り高いその性格から毒は塗っていないのだそうだ。小説では河畔で権力幇の十九護法神君の一人・溥天義に殺される。

唐方(李凯馨 飾)

唐柔の姉。小説では彼女がヒロイン枠なんだけど、ドラマでは今後どうなる?

軽効に優れ無毒の暗器を使う。

 

▼蕭家の人々

蕭西楼(丁勇岱 飾/「琅琊榜」の皇帝役が印象深い)

蕭秋水の父で浣花剣派掌門。七大名剣の一人。ちなみに権力幇が蕭家を襲ってきた際、琴を武器にしていた人物はこちらも七大名剣の一人、孔揚秦。

小説では蕭家滅亡の際、朱侠武によって殺される。

蕭易人(张峻宁 飾/「三体」に出演していた)

蕭秋水の長兄。幼い頃から父をしのぐ天賦の才を発揮。「天狼剣」の二つ名を持つ。ドラマでは優れた武功を示すシーンがなくて、気の毒。

蕭開雁(张晓晨 飾/最近では「凡人修仙伝」に出演)

蕭秋水の次兄。温厚な性格で忠義に厚い。こちらも今の処派手な場面はなし。

蕭雪魚古力娜扎 飾)

ドラマでは養女で医学と武術に精通している設定。テロップの順番だと彼女がヒロイン枠に見えるけれど、15集まででそんな気配はない。小説にも登場するようだけど、どのような役回りかは不明。

 

呉老夫人/岳飛の母(曹翠芬 飾)

小説では悲劇の武将、岳飛の母を蕭家が匿う、というストーリーになっており、ドラマでは呉将軍の母と改変されている。「英雄令」を所持。

岳飛南宋の武将で、金との闘いで幾度となく勝利を収めたが、その影響力が拡大するのを恐れた宰相の姦計で獄死する。ドラマでも呉将軍は冤罪で獄中にある。

 

▼権力幇

物語のヴィラン。燕狂徒によって二十年前に創立された江湖最大の団体。九天十地、十九人魔、八大天王を含む。

燕狂徒(张智霖 飾/「披荆斩棘2025」にも出てるよ!)

「天下第一狂人」の異名をとる。小説では裏切りにあい、敵味方合わせて16大門の連合軍と闘い、重傷を負って隠遁中。ドラマでも状況は恐らく同じで「英雄令」を所持、呉老夫人に送ってきた人。

李沉舟(成毅二役)

権力幇幇主。二つ名は「君臨天下」。武器は双拳で絶技は「海天一線」。蕭秋水トは複雑な関係になる…らしい。

趙師容(丁笑滢 飾)

李沉舟の妻。もともと世家出身だが出奔。「五展梅」「東海水雲袖」に精通。その優雅さゆえに「流雲水袖」と呼ばれる。柳随風の片思いの相手。

柳随風(徐振轩 飾/「大夢帰離」では半神半妖の英磊)

小説では権力幇の「総管」ドラマでは「副幇主」。二つ名は「袖里日月」。柳五とも呼ばれる。出身は貧しいが李沉舟と共に権力幇を作り上げた、権力幇のNo3。実は○門の出身(ネタバレのようなので)。小説では出番は多くない、と百度百科にはある。

ドラマでは男主2。彼がなり替わっていた「風朗」は小説の登場人物では見つからなかった。肖明明が「福袋」と呼んでいたから、肖明明が独自に付け加えたお助けキャラなのかも。

蕭家との因縁が原作由来なのか、ドラマの設定なのかは不明。

 

・八大天王

李沈舟の愛将たち。名前だけ押さえておけば混乱しない(笑)。

「剣王」屈寒山(威鎮陽朔)(邱心志 飾)

李沈舟と対立する動きを撮っているのがこの人。他は李沉舟登場の際、ずらっと並んで立っていた人たち。

「刀王」兆秋息       「水王」鞠秀山 

「火王」祖金殿       「人王」鄧玉平(海南剣派掌門)甘粛

「薬王」莫非冤       「鬼王」陰功(辰州言家) 「蛇王」老人と少女

 

・十九人魔

こちらも名前だけ押さえておけばいいかな。名前をよく読むとネタバレになるのかも…。

「百毒神魔」華孤墳 「無名神魔」康出漁(観日剣客) 「神拳天魔」盛江北(大王竜)

「一洞神魔」左常生 「鉄腕神魔」溥天義、 「三絶剣魔」孔揚秦 「長刀神魔」孫人屠

「絶滅神魔」辛虎丘 「瘟疫人魔」余哭余 「魔僧」血影大師(少林派)

「飛刀狼魔」沙千灯 「独脚神魔」彭九(独脚鎮千山) 「千手神魔」屠滾

「快刀神魔」杜絶  「飛腿天魔」顧環青 「鉄騎神魔」閻鬼鬼 

「無影神魔」柳千変(地馬行天) 「暗殺神魔」戚常戚 「仏口神魔」梁消暑

・宋明珠(刘梦芮 飾)

小説では三鳳凰、ドラマでは五鳳凰の一人「紅鳳凰」。ドラマでは柳随風の部下。

 

▼これから登場する人物

・梁斗

神州結義」の構成員。朝廷では重要人物である「梁王」。

・朱侠武

またの名を「朱大天王」。「長江七十二水道」「黄河三十六分寨」の総舵主。

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長い間待たされての配信で視聴者の期待も高かったゆえに賛否両論あるドラマだけれど、観始めればそれなりに面白い。40集あるんだし、これからの盛り返しに期待しよう。

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題名:赴山海 The Journey of Legend

原作:温瑞安(「四大名補」「説英雄誰是英雄」)「神州奇侠」 40集

編劇:刘芳(「蓮花楼」「長安諾」)王威 李惠敏 海珊 陈群星 刘林青 朴珍妮

導演:任海涛(「蓮花楼」「七夜雪」) 林峰(映画「長津湖」)

出演:成毅Cheng Yi 古力娜扎Gulnazar 李凯馨Eleanor Lee Kaixin 徐振轩Xu Zhenxuan

 

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