「入青雲」楽しく観終わった。途中ダレることもなく、終わり方も爽やか。お話も主軸にそれほどの新味はないけれど、新しい流れなのかな、と思える部分もあって興味深かった。
ここから先はエンドまでのストーリーのネタバレが含まれます。ご注意ください。
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とりあえず後半のストーリー
明意(卢昱晓 飾)と紀伯宰(侯明昊 飾)の仲が深まるにつれ、明意は自身の正体を明かしづらくなり、嘘に嘘を重ねることに。一方紀伯宰には解毒薬「黄梁夢」を手元に置いておかなければならないある事情が。一方明意を幼い頃から慕う司徒岭(余承恩 飾)は、彼女の為に力を得たいと願い邪術に手を出し後戻りできなくなる。
六カ国の優劣を決める「青雲大会」が間近に迫る中、明意と紀伯宰の出生の秘密が明かされ関係は更に複雑に。果たして黄梁夢は誰が手に入れ、誰の命を救うのか?青雲大会の結末は?
…大雑把に書くとストーリーはこんな感じ。前半で際立ったヴィランの皆さんは退場、後半は明意と紀伯宰、司徒岭の三角関係(というより二人に割って入ろうとする司徒岭)が物語の中心に。
後半は若い俳優さんばっかりになってしまうので、アイドル史劇の印象が強くなる。女主・明意の性格は好き嫌いがあるだろうけれど、うじうじ悩んだりしないので個人的にはさくさく視聴できた。主人公、二人とも綺麗で可愛い。後半のヴィラン、司徒岭役の余承恩は「星漢燦爛」で女主の気弱な婚約者を演じていたけれど、その時より少し男っぽくなった印象。
エンドのプリクラ風のスチルなんかも可愛らしくて、如何にも若い人に向けて作られたドラマだと思う。ストーリーも一見他のドラマと同じような展開に見えて、家族に対する価値観の微妙な違いが表れていて興味深い。
「親」離れした子どもたち
中国のドラマにはよく酷い親、毒親が登場する。強権的で独裁的な親、駒のように何人もの子どもを使い捨てる親、子どもを捨て都合よく再び手元に置こうとする親。最終的には親が自らの行いを改めることも多いけれど、その場合大体「今までゴメンね」の一言で済まされてしまう。子どもの方も「これからは親孝行するよ」。
…え?それだけ?こんな親にも「親孝行」するの?…と疑問に思うことも多かった。
このドラマも根っこの部分に「親と子」の問題がある。女主・明意は母親の命で男装させられ、太子として闘者として常に勝者であるよう求められた。紀伯宰は親を知らず、その親が判明した後は「捨てられた子」であることが明らかになる。司徒岭の親は野心満々で息子たちを次々敵国に送り込むが、その死を悼むことはなく駒扱いだ。
そうした親たちに対し、子ども達の側は恨み言を並べるわけでも愛してくれと訴えるわけでもなく、案外淡白だ。親の行いを淡々と受け止め、許す。何だか早々に親離れしている。
(司徒岭だけは少し違う…気もしたけど、彼は彼で全く家族に愛情を感じておらず、邪魔だから殺す、必要だから命を奪う、とこちらもある意味淡々としている。)
一方で子どもを無償の愛で包んでくれる親もいない。
主人公たちに無償の愛を捧げるのは彼らに付き従う龍や猫、つまりはペットだ。彼らは常にそばにいて主人公を慰め、主人の為に命を捧げるのも厭わない。親よりも近しく自分を理解してくれる存在がペット、というのは如何にも今時だ。
結婚に対してもそうだ。サブキャラの公主と言笑のカップルは結婚しないという選択をする。主人公たちにしても神様?の前で愛を誓いはするが、結婚式でエンドを迎えたりはしない。二人の結びつきはあくまで二人の問題で、そこに「家」の影は見えてこない。
これって日本や欧米の家庭観、結婚観にだいぶ近い気がする。中国でも若い人の家族観・家庭観には些かの変化があるのかもしれない。
そうした変化を敏感にとらえてストーリーに反映しているあたりが、このドラマを新鮮に見せている要因の一つかもしれない。
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題名:入青云 LOVE IN THE CLOUDS 36集
原作:白鹭成双 「入青雲」
導演:知竹「古相思曲」彭学军「大宋少年志」
編劇:纪桑柔「卿卿日常」丁璐「赘婿」「卿卿日常」
出演:侯明昊Neo Hou Minghao 卢昱晓Lu Yuxiao 余承恩 Yu Chengen