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「暗河伝」(~最終集)アニメ→実写化作品についてちょっと考えた

「暗河伝」最後まで楽しく観終わった。目まぐるしく入れ替わる登場人物、複雑な人間関係、超ハイスピードの戦闘は見る人を選びそうだけれど、武侠好きの方には物語の面白さで、ご贔屓の役者さんがいる方はそのカッコ良さで十分楽しめると思う。ここから先は暗河伝のストーリのネタバレが含まれます。ご注意ください。

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「暗河伝」微博より クールで切れ者な蘇昌河 後半修行ばかりで武打シーンが少なかったのが残念

とりあえずお話は…

前回の原稿を見直したら、ストーリーについて全然触れてないことに気づいた💦 基本的には暗河の内紛に端を発する若者たちの叛乱、他者の駒ではなく江湖の中で地位を確立しようとする闘いを描くストーリーだ。敵は次から次に現れ、主人公・蘇暮雨(龚俊 飾)たちの行く手を阻む。更に蘇暮雨の出自と敵討、神医・白鹤淮(杨雨潼 飾)との恋の行方、竹馬の友である家主・蘇昌河(常华森 飾)との方向性の違い…等が絡む。おおよその流れは

 

暗河組織のトップ、家主が重傷になる

→三家が次期家主の座を争う

→蘇昌河が家主に就任

→大皇子に与する暗河の分派との闘い

→薬人を使う唐門との闘い

→黒幕との闘い

 

…こう書くとまるで少年漫画みたいだけれど、元々大ヒットアニメの実写化なのである意味当然ではある。

 

アニメ→実写化作品は多いけど

「少年歌行」「少年白馬酔春風」「暗河伝」はいずれも先にCGアニメ化されている。ちらっと見ただけだが、殺陣のシーンはスピーディでアクロバティック。CGなんで登場するのは美形ばかり。人気の理由も分かる。

翻って実写版でも、アニメと遜色ない武打シーンになっていて驚く。勿論様々なテクニックを駆使してのことだけど人がやってるんだよね、これ。途中で龍だの仁王だのが登場するのは元がアニメ故のご愛敬?傘から剣が飛び出してきて降り注ぐのは割と好み。若くて美形な役者さんを揃えているのも素晴らしい点(笑)。「暗河伝」では主人公の龚俊はもとより主人公の竹馬の友で暗河家主の蘇昌河役・常华森が大変かっこよかった。

 

夏に配信された「凡人修仙伝」もアニメ→実写化作品だ。こちらもチラ見。CGアニメなので背景の自然なんかも丁寧に描かれているのだけれど、やっぱり本物の風景にはかなわない。スコーンと抜けた青空の元で修行する修仙者たちは美しい。主役は杨洋なんでアニメより更に美形な気が(笑)。この作品も些か目まぐるしい武打シーンだったけれど、アニメに拮抗しようとするとあのスピード感になるんだろう。

 

アニメとは一線を画して実写ならではの現実味を追求したと言えるのは「紫川」。アニメの方は疑似西洋世界で主人公たちも西洋甲冑に身を包んでいる。実写では完全な中華世界に置き換えられ、色調も抑えめで渋かった。どちらがいいか好みは分かれそうだけれど、ストーリー自体の重厚さに(特に一季は)よく似合った改編だったと思う。

 

「暗河伝」とほぼ同時期に「王権編」(配信時は改題されて「天地剣心」)が配信された「妖狐小紅娘」シリーズもアニメ→実写作品だ。アニメはどっちかというと少女漫画風の絵柄。

アニメ版は見たことないので何とも言えないけれど、実写はアニメの可愛らしさをなぞったような造型の妖が多く登場する。ストーリーは割と深刻で「恋恋劇場」枠にも拘らずカップルの多くが死に別れたりするので、何処かアンバランスな感じを受ける。それと虚構世界(でいいのかな?)が単に暗くて煙だらけだけなのが単調。アニメもそうなのかもしれないと思うけれど、どうせ改編なんだからもう少し工夫してくれてもいいのよ?

 

現代ものになるけれど「異人之下」シリーズも漫画→アニメ→実写という道筋を辿った作品だ。物語の先が知りたくて、アニメ版を割とがっつり見た。この作品が一番日本のアニメに近い世界観や物語だと思うけれど、日本のアニメの抽象表現やきめ細やかさには叶わない。

実写版は独創的なCG処理で美しくも恐ろしくもある映像を生み出すことに成功していると思う。役者さんもアニメに近い、というより演技力重視のキャスティングで、アニメ以上の面白さを実現していると思う。…ええと、単にすごく好きなんです、このシリーズ。

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人気アニメの実写化って、日本ではなかなか成功しない気がするけれど中国ドラマのそれは割と打率がいい気がする。製作にお金がかかっていそうなこと、役者さんの数が多く且つ若手からベテランまでバランスよく揃っているのが多きな要因かもしれない。加えて、衣装や小道具の細やかさはやはり実写に軍配が上がるし、建物・大道具に関しても、作り付けの大型セットが利用できるのでスケール感も損なわれない(同じ建物ばっかりになっちゃう、という問題もあるにはある。が、これは古装系全般に言えることだ)。

アニメ特有の「現実にはない世界」の構築という点については、作品によりばらつきがあると思う。及第点もあれば?マークがつくものもあって、その辺りが作品そのもののクオリティにも大きく影響している気が。

 

ところで暗河伝、続編はどうなる?

気の早い話だけれど続編の話が持ち上がっており、作者も乗り気だという記事を読んだ(Record Chaina25.11.18)。暗河が何故光の当たる方向を目指しながら、暗い“暗殺業”という世界へ戻っていくことになったのかは今回でよく分かったけれど、蘇暮雨と蘇昌河に徐々に亀裂が生まれていく過程は観てみたい気がする。

スピンオフもいいけどまず「少年歌行」本編の続きを観たいというのも本音。

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題名:暗河传 Blood River

原作:周木楠「暗河传」 38集

編劇:周木楠(総編劇)

導演:尹涛

出演:龚俊Simon Gong Jun 彭小苒 乔振宇 常华森Waston Chang Huasen 杨雨潼

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