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「長安二十四計(~最終集)」は“復讐譚”というより“生存競争”

年内に今年の「ベスト〇〇」的な纏めを書こうと思ったのに、体調を崩して全部観終われない情けないことに。「長安二十四計」だけは何とか最後まで観終われたので、2025年滑り込みで感想だけでも書いておこう。

二転三転するストーリーの面白さで見せる作品なだけになるべくネタバレを避けてはいますけれど、中盤までのストーリー及びある程度のネタバレは含まれます。ご注意ください。

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長安二十四計」微博より 一番気に入ったキャラクターは顧将軍

お話は最後まで残酷非情

ターゲットの6人への復讐…というお話は単なる前ふりに過ぎず、中盤から後半は謝淮安と仇敵との神経戦、というか相手の心理の最も弱いところを突く心理戦が続く。

 

謝淮安(成毅 飾)が動き出したことを知った虎賁は白吻虎軍を率いる車椅子の将軍・顧玉(叶祖新 飾)を拉致、謝淮安は虎賁の兵が隠れ住む藏兵巷に単身で乗り込むことになる。犠牲を出しつつも藏兵巷を制圧したものの兵の大半は逃亡。都に舞い戻った言鳳山(张涵予 飾)の指揮下、形勢は逆転。蕭武陽(刘奕君 飾)は昏睡状態、顧玉は行方不明、と味方はバラバラに。謝淮安は再び単身言鳳山の屋敷に乗り込み…。

 

お話は更に二転三転し、王勁松扮する謎の男の正体や、フードの老臣の正体も徐々に明かされていく。展開自体はスピーディで続きが気になって一気に観てしまうのだけれど、中盤まで「何故この人たちはこんなにも憎み合っているんだろう?」という素朴な疑問は拭えなかった。ようやく腑に落ちたのは言鳳山の過去が明らかになって以降のことだ。

 

「衣食足りて礼節を知る」

言鳳山はかつて北の民族・鐵秣に捕まり、たった一人分しか与えられない食糧を巡って捕虜同士が殺し合う中生き残った経験を持つ。仲間を全て殺して閉じ込められていた穀物庫から逃げ出すが、道中助けてくれ食糧を分けてくれた村人さえ殺害してしまう。言鳳山にとって権力を手に入れることは飢えを満たすことで、一度限界を超えた“飢え”はいくら権力を手に入れても満たされることがないのかもしれない。

長安を狙う北方民族・鐵秣は寒く厳しい土地で冬生まれた子は食糧が足りず生き残れない。彼らにとって「豊かな地=長安」で、長安を手に入れなければ彼らの“飢え”は満たされない。何を引き換えにしても絶対に手に入れなければならないのだ。

 

言鳳山率いる虎賁も鐵秣の人々も、師父や弟子、養父や養子同然の関係も意に介さず殺し合う。普通のドラマだと師父と弟子の間には親子以上の情愛があったりするものだけれど、このドラマは実にドライに関係を切り捨てる。自分が殺した相手の家に平気で住むのは如何にも悪趣味に思えたけれど(これは予算の関係にも思えるけど)そうした無神経さも、これが食を巡る生存競争なのだと考えれば納得がいく。食べ物を手に入れる為に相手を騙し、唆し、斬り捨てる。天敵、仇敵というより一切れの肉を争う相手なのだ。

このドラマが豊かな田園地帯で幕を開け、穀物倉庫で幕を閉じるのは(そしてすごく沢山食事のシーンが登場するのは)偶然ではないだろう。

 

…そんな人たちが相手では師弟や大義といったものは役に立たない。このドラマでは情や義を行動原理にする人物はとても格好よく、でも悲劇的に描かれる(顧玉の藏兵巷での大立ち回りや、佟梦实扮する葉崢の立ち回りシーンは見応え満点。めちゃカッコいい)。

 

主人公・謝淮安はそのあわいに立つ。やり口は正直言鳳山や鐵秣と同様に冷徹とも言える。相手に毒薬渡しながら「餃子何個食べる?」って聞く時の成毅は恐ろしい。一方で虎賁の残党を許し、傀儡皇帝だった蕭文敬(周奇 飾)を救う等ぎりぎりの処で道理と分別のある「人」の世界に留まっているようにも見える。

ただそうは言っても大分命は失われているし、このドラマに登場するキャラクターで一人も殺していないという人、誰もいないんじゃないかな…。

 

ベテランの役者さんたちの演技は見ごたえあり

立ち回りのシーンを大幅に削って、残り予算を全部キャスティングに回したんじゃないかと思うくらい、ベテランの役者さんは豪華、強烈な印象を残す。脚本的にもエピソードの挟み方が上手くて、短いシーンでそのキャラクターの人となりが上手く描かれる。

余り活躍の場がなかった高相(宋佳倫 飾)も中~終盤に見せ場があるし、父の旧知の商人・楊儲豪(韩童生 飾)や隠れ家で店を営む老人(尹铸胜 飾)も味わい深い。大御所の倪大紅と王勁松が羊肉持ってじゃれ合うシーン(何でそうなるのかは流石にネタバレ過ぎて書けないけど)の可愛らしい&恐ろしいこと(笑)。

 

そうしたベテラン俳優さんと渡り合っている成毅は「頑張った」といえるんじゃないかと思う。ほぼ無表情か怨み骨髄といった表情しかしないので他のドラマとはかなり印象が違うし、そもそも主人公が何を考えているのかは視聴者には全く分からないのでアレだが、主人公の孤独、凍みるような心情は良く伝わってきたと思う。

 

で、エンドなんですが…

なんだかんだ言って「超前」買ったわけだけれど、本編ではなくエピローグとして語られた謝淮安の命運はどうなんだろう?単に続編作りたいです、と取ればいいのか、それともずっと復讐以外考えてこなかった主人公にとってある意味解放である、と取ればいいのか。

…あのご老体の考えている未来、というのも今一つ分からず(碌なことを考えていない気も、未来を見据えている気もする)困った(笑)。

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題名:长安二十四计 The Vendetta of An 28集

編劇:霜城(总)、莫雨聪、李雪彤、王骢、虞筱霏

導演:林峰「赴山海」李磊「鬼吹灯」シリーズ

出演:成毅 Cheng Yi 刘奕君 王劲松 周奇「蔵海伝」 佟梦实Tong Meng Shi「慶余年」

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