Netflixにイーキンの新作ドラマが来てる!と大喜びで全部観た…んだけど、日本で鄭伊健を知っている人、どのくらいいるんだろう?
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鄭伊健(Ekin Cheng)って誰?
90年代に香港映画のファンだったら知っている名前だと思う。90年代香港の大スターの一人で、四大天王の次くらいに人気があった。香港TVBの訓練生を経て幼児向け番組「430穿梭機」(この番組はスターの登竜門だったみたいで梁朝偉や周星馳も出演していた)でキャリアをスタート。
最初にブレイクしたのは歌手としてで1994年に「一生愛你一個」が大ヒット。この曲を含むアルバム「On Stage」も同様に大ヒットした。この頃香港のHMVに行った時、ずらーっと鄭伊健のアルバムが並んでいたのを覚えている。
俳優としても漫画原作の恋愛もの「百分百感覚(1996)」新世代ギャングの抗争を描いた「古惑仔(1996~)」シリーズ、SFXを多用した奇幻武侠映画の元祖「風雲(1998)」等が大ヒット。一躍人気俳優の仲間入りをした。他のスターとは一線を画したクールさが新鮮だった。
ただ香港が返還され香港映画が下火となるにつれ出演作も減っていった。この10年ほどはコンサートも開いていないし、映画の出演作も殆どない。今年の春晩に「風雲」でダブル主演だった郭富城が肖战と踊っていたり、「古惑仔」で相棒だった陳小春が「披荊斬棘」で「友情歳月」を歌ったりしているのを見ると「どうしているんだろう?」と気にせずにはいられなかった(「友情歳月」は鄭伊健が原唱だ)。
…奥さんが九州で不動産業を営んでいてその手伝いをしている、とかの噂もあったけれど本当なのかどうかは不明(笑)。なので、とりあえず元気そうな姿を拝めてほっとした。
どんなお話?
「百萬人推理」は台湾制作のドラマで「華燈初上(邦題:華燈初上 夜を生きる女たち)」の製作チームによる犯罪捜査もの(ただし編劇・導演は違う人)。「華燈初上」は夜の街に生きる女性たちの物語だったけど結構面白かったので期待しつつ視聴。
有名な動画配信者が警察署の前で発砲、逆に陳家任(鄭伊健 飾)に撃たれて病院に運ばれる。ネットの非難が陳家任に集中する中、動画配信者が次々殺害される。これらの事件の発生を「予言」する動画を配信する仮面の占い師「巴巴女巫」。彼女の正体は何者なのか、犯人は何故動画配信者ばかりを狙うのか。陳家任は科学犯罪捜査係の女性警官・李欣屏(李霈瑜 飾)と共に捜査を始める。調べを進めるうち陳家任は、疎遠になっている自分の娘が「巴巴女巫」ではないかと疑い始めるが…。
ネット上の仮面の配信者…というと、どうしても韓国ドラマ「国民死刑投票」を思い出してしまう。良く見ると仮面の形状は違うんだけど(あちらは犬のお面)絵面がそっくり(笑)。
「国民死刑投票」は良く出来たドラマで、証拠不十分で無罪となった犯罪者を摘発し国民のネット投票で「死刑」に処す、というアイディアは奇妙にリアリティがあって恐ろしかった。犯人の他、システム自体を乗っ取ろうとする輩や政治利用しようとする輩やら話も複雑でとても面白かった。
それに比べると、このドラマは事件自体のインパクトがどうにも弱い。プラットフォームをネットに換えただけで「事件の予言」自体は昔からあるネタだしなあ。おまけに繰り返し入る回想部分で事件の全容は大体想像がついてしまう。丁寧な描写、ってこういう緊張感漂うサスペンスには向かない。回想シーンがやたら多いのもマイナス要素。
タイトルの「百万人推理」は、ネットの住民たちの方が警察より先に被疑者の住所をはじめあらゆる情報を暴いてしまったり、という部分で「そうかも」と思わされる。けれどネット民の皆さんがそこまで役に立ったり邪悪だったりはしないのでやっぱり印象が弱い。
配信者たちには台湾の若い俳優さんが扮していてアクションシーンも含め頑張っている。ただ印象に残るかと言われると、うーん。鄭伊健はというと…もう還暦だから仕方ないけど、もうちょっと頑張ってくれてもいいのに(笑)。
まあ鄭伊健もまだ現役、ってことが分かっただけで良しとしようっと。
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題名:百万人推理 8集
編劇:蘇文聖
導演:蘇文聖
出演:鄭伊健 婁峻碩 李霈瑜
↓鄭伊健の出世作