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「玫瑰叢生」(~最終集)は出口のない物語

「做自己的光」以来久々の刘宇宁の現代劇なんで、楽しみにしていた「玫瑰叢生」。始まってみるとなかなか視聴意欲がわかず、青息吐息で観終わった。…ドロドロが苦手な人は要注意なドラマです(笑)。

ここから先はストーリーのネタバレが含まれます。そして大分辛口です。ご容赦ください。

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「玫瑰叢生」微博より ドラマ内よりスチルの方が原作に近い気が

設定というかストーリーというか

李曉兮(王子文 飾)はフェロモンの塊のような女性で、落とせない男はいない。彼女は自分の資質を活かして、彼氏や夫を疑う女性たちの依頼を受け「男の誠実度」を測る手助けをしている。指定された男性を誘惑し、男性が誘惑に乗るかどうかを試すのだ。

誰もかれもが簡単に誘惑に乗ってしまい、男性不審に陥った李曉兮だが、バーで自分に加勢してくれた理想の男性・小貝(刘宇宁 飾)と出会う。

小貝を散々試した挙句、誠実だと判断して付き合うことにした李曉兮。ところが小貝の友人の集まりに参加した際、かつて自分が騙した漫画家・老宮(高伟光 飾)と再会してしまう。

老宮は李曉兮を未だに忘れられず、それが原因でかつての彼女とも別れたという…。

 

ストーリーは小貝・李曉兮・老宮の三角関係(というか小貝+李曉兮←老宮)、小貝の友人である阿修・鸞鸞(不倫関係)+阿修の妻、大森・明明+阿倫(明明の元カレ・既婚者)を中心に展開する。

 

李曉兮の周りには次々とかつて騙した相手やら元の顧客やらが集まってくる。李曉兮は小貝に本当のことを話そうか悩み、老宮は彼女を諦めきれないまま本音を話せる友人としてふるまう。

阿修は鸞鸞をソウルメイトだと言いながら妻が別れようとすると未練たらたら。明明は既婚者だと知らず阿倫とつきあっていて、大森はずっとセカンド扱い。明明が真実を知って阿倫と分かれた後も大森は彼女の本気を疑っている。

 

…というのが序盤の設定なんだけど、この状態がずーっと続く。まあ本人たちの悩みそのものがテーマなので仕方がないと言われればそうなんだけど、ごちゃごちゃした関係はラストまでほぼそのまんま、というより加速する。後半には小貝を好きな我儘娘やら、阿倫の妻やら阿修の妻を好きな男やらが登場し、それぞれ罠や嫌がらせを繰り返すので、そういうのが苦手な自分には苦行そのもの(笑)。

 

登場人物の誰かに共感できれば何とか…なる?

主軸となる三組のカップルの他にも、いろいろな恋人たちが登場する。多くは李曉兮の顧客だったりするんだけど。私は女主や、彼女に「BFの誠意を測って!」と頼む女性たちに全く共感できなかったのだけれど、彼女たちに共感できる視聴者もいるんだろうとは思う(…あんなに疑うくらいなら別れちゃえばいいのに、と思うんだけど登場人物は皆相手に固執するタイプみたいだ)。

男性陣にも共感しづらい。妻と恋人、どちらかに決められない阿修はもとより、彼女の前カレのことをいつまでもぐちぐち言う大森や、いくら思いきれなかったからと言って親友の彼女にちかづく老宮も「分かるわあ」とはならなかった。

 

肝心の小貝も、条件がものすごくいいことは分かるんだけど余り魅力が感じられなかった。「出来すぎ」に見えて李曉兮が単に条件のいい、自分が主導権を握れる男を選んだようにしか見えないのだ。(髪型はともかく←原作通りだから仕方ない)刘宇宁は大変カッコいいので連れ回すには最適そうに見えてしまうのも一因だし、小貝が何を考えているか今一つ読めない李曉兮が悩む物語なんで、小貝の心の機微が描かれないのも原因の一つかもしれない。

 

いろいろな出来事が起こるには起こるけれど、登場人物に共感できないとただ「同じところをぐるぐる回っている」物語に見えてしまう。ただ、本国での評判は余り悪くなかったようなので、誰かの痛みに共感できればまた違う見方になるんだろうとは思う。

 

原作はヒット漫画

登場人物の心情がよく分からなかったので原作はどう描かれているんだろう、と思って百度百科を見てみた。

原作は大ヒットした漫画だそうで、タイトルは「蝉女」。蝉みたいに短い命、というわけではなく「愛」は蝉の羽のように脆くて儚いけれど、羽ばたくことも共鳴することもできる、という意味のようだ。

日本の少女漫画ぽい、ポップな絵柄だ。…絵柄から受ける印象だけで言うと、李曉兮はイケてる美人さん。但し「親しい友人にとっては子羊のような人物」と漫画の評にはある。小貝は如何にも大人しく凡庸に見える青年だ。老宮は割とドラマと印象が似ているが人物紹介欄には「非常に狡猾で人を操るのに長ける」とある。

 

人物設定における原作とドラマの微妙な齟齬が、共感できにくさを生んでいる気もしてきた。(原作を知っている人は無意識に齟齬を補正して観るだろうから、原作を目にしたことのない視聴者とは感想も違ってくるだろう。)ドラマの李曉兮は明らかに老宮といる時のほうが自然体で「だったらそっちとくっつけばいいんじゃ」と思えてしまう。漫画のように小貝が一見「つまらない、凡庸な」男性であれば、李曉兮の小貝への想いも信用できるような気がする。

 

導演は「三体」「金庸武侠世界」「太平年」等を手掛けた杨磊。正直、大作を手掛ける監督さんに任せるより、もっと繊細な心情描写の得意な女性監督の方が良かったんじゃ…。脚本家の多さ(脚本家が多い=台本の直しが多い)も、作品の迷走を物語るような気が(笑)。

 

…恋愛ドラマって、日常に近ければ近いほど匙加減が難しい。難しいなあ。

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題名:玫瑰丛生 About Love

原作:宫缘乾「蝉女」

編劇:袁媛 梅君娟 谷雨 赵小蕾 唐一歌 赵婷婷 江丽池 张子枚 康梦颖

導演:杨磊「三体」「太平年」

出演:王子文 刘宇宁 高伟光

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