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「逐玉」(~最終集)は脇役まで煇く作品

久々に隅から隅まで面白かった本作。よく練られた脚本とストーリー、中盤の戦場・終盤の朝廷と舞台を移しながらもそれぞれ緊迫感のある展開を実現した演出、そして脇役に至るまで非常に魅力的で印象に残るキャラクターを作り上げた役者さんたち。皆素晴らしい。

とても完成度の高い作品でした。

ここから先は後半までのストーリーのネタバレが含まれます。ご注意ください。

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「逐玉」微博より 人気爆発の邓凯さん。銀髪も素敵。

中盤以降のお話

正体を明かさないまま謝征(张凌赫 飾)は戦場へ。一方村は長信王の次男・隨元青(林沐然 飾)の襲撃を受け村人の多くが死亡、樊長玉(田曦薇 飾)の妹も行方不明になってしまう。

夫の後を追いかけた樊長玉(田曦薇 飾)は捉えられ戦場のダム作りに駆り出されることに。そこで金元宝(李殿尊 飾)ら4人組と再会を果たす。

襲撃前に村を離れた俞淺淺(孔雪儿 飾)だが隨元淮(邓凯 飾)に囚われ監禁されてしまう。隨元淮は表向きは長信王の長男だが、その正体は16年前に死亡した太子の息子・斎旻だった。俞淺淺は自分の息子・寶兒を逃がすことに何とか成功する。

手柄を挙げた樊長玉たちは謝征の軍と合流、長信王の軍と対峙することに。そこには軍師の公孫鄞(李卿 飾)や長公主・齊姝(喻锺黎 飾)もいて賑やか。謝征は正体を隠したまま言正としてふるまうが長くは続かない。

長信王(谭凯 飾)や賀将軍(卢勇 飾)の言葉の端々から、16年前の大火と軍全滅の真相が徐々に見え始める。李太傅(王九胜 飾)と魏丞相(严屹宽 飾)は齐旻の存在を知り、それぞれ思惑を巡らせる。

 

前半の小さな町の細腕繁盛記的な雰囲気は村の壊滅で影をひそめる。樊長玉と金元宝たちのパートには牧歌的な雰囲気が残るものの、誰彼構わず人足を引っ立てる様子や、少年兵や、将軍の死等のエピソードが重ねられ、戦争の残酷さを物語る。基本はロマンス劇であるのに、描写が意外にハードで驚いた。戦場でのアクションも正統派で迫力がある。

 

印象的な若手俳優さんたち

隨元淮→斎旻役の邓凯Deng Kaiが大人気だ。1995年大連生まれ。デビューは「三国機密之潜龍在淵(邦題:シークレット・オブ・スリー・キングダム)」の徐福だそうだけれど、記憶にない(汗)。写真を見る限りごく普通の若者(しかも傘かぶっていて顔が見えない)みたいだ。私が最初に顔を覚えたのは「少年歌行」の赤王役だった。赤王は残忍なのにちょっとおバカな役どころで、憎々しいのに憎み切れない(笑)ヴィランだった。

「仙台有樹」「定風波」「唐宫奇案之青霧風鸣」等々、常にヴィランだったり憎まれ役だったりするけれど、いつもどこかに人間味があって強い印象を残す。今回もやっていることは酷いのにその愛は純粋といったキャラクター。銀髪姿もかっこいい。

人気が出たことで主役のオファーも増えるだろうけれど、強い個性がこれからどう生かされるんだろう?

 

弟の隨元青役の林沐然も話題になった。隨元青もやっていることは相当酷いけど、そのラストは泣かせる。この辺りは脚本の上手さに負うところが大きいと思うけれど、林沐然も酷いことをやっていてもどこか可愛いところがあって、人気が出るのも頷ける。

林沐然は2005年北京生まれ。子役出身で芸歴は長い。「天行健」「盗墓筆記(電影)」「唐人街探案(電影)」「三国機密之潜龍在淵(司馬懿の子ども時代)」「愛情而已」「看不見影子的少年」…観た作品は沢山あるんだけど顔は余り覚えていない…ごめんなさい。今回で覚えたからもう大丈夫。

 

すごいなあ、と思うのは「殺猪小隊」の面々や謝征の部下の名前は手抜き(数字だし)な面々までちゃんと個性と見せ場があり、顔が覚えられることだ。村の人々についてもそうで、前半できちんと描写されているから、虐殺の場面は本当にショックだった。

「逐玉」微博より 渋カッコいい严宽さん。陰謀の真相を知ると魏厳にも同情せざるを得ない。

終盤は朝廷劇

16年前(ドラマ時間で終盤には17年前)の事件の真相は終盤まで明かされない。長信王と決着がついた後は朝廷での丁々発止が続く。

ここで活躍するのはシブいオジサンたちだ。特に丞相・魏厳役の严宽が「かっこいい!」という感想はたくさん見かけた。1999年デビューなので芸歴も長く出演作品も多い。最近では「暗河伝」での渋カッコいい剣豪(剣無敵!という凄い役名)「異人之下之決戦!碧遊村(邦題:異人之下セカンドラウンド)」の殺人狂(でも味方)・肖自在等印象的な役を演じている。肖自在は自分で「変態」と言っちゃうような奇人なんで、今回の威厳ある丞相とはふり幅がすごく大きくてびっくりする(笑)。歌手や役者さんが合宿しながら舞台を作り上げるバラエティ「披荆斩棘第四季」にも出演していて、素ではとても謙虚ないい人なんだってことが分かる。踊りが苦手で四苦八苦している様子が可愛いというか気の毒というか。

 

丞相と対立する李太傅役の王九胜もよく顔を見かける役者さんだ。严宽と同じく「暗河伝」にも出演していて、こちらはより老けメイクで暗河大家長の家を守るお爺さんだった。

 

ストーリー的に面白いなと思ったのは丞相も太傅も、現在の傀儡皇帝を無能だから変えよう、と考えていることだ。中国ドラマの“皇帝”ってどんなに酷くても猜疑心の塊でも、実はいい人でした、とか心を入れ替えました、みたいな展開が多い。天から世界を統べる力を託された「天子」だから簡単には交代できない。このドラマのように皇帝に味方する勢力が誰もいない、というのは珍しい。

事件が起こらなかったら、という番外編でも、名君になるはずの太子が十数年後にはやっぱり猜疑心の強い皇帝になっていると言及されていた。この国の皇帝は見捨てられる運命なのかも。

 

ちなみに傀儡皇帝を演じているのは管云鹏。1993年生まれ、デビューは2016年と早めだけれど、顔を覚えたのは「夢華録」での男主の部下・陳廉役。杨阳監督作品の常連で「不完美受害人」「隠身的名字」等にも出演している。「凡人修仙伝」でも見かけたなー。

16年前の事件で亡くなった太子役には叶祖新がちょっとだけ出演。1984年生まれ。多分最初に顔を覚えたのは「歩歩驚心(邦題:宮廷女官 若曦)」の第十皇子。「清平楽(邦題:孤城閉)」の宦官役や「九義人」の女主の夫等あちこちで見かけるけれど、最近では「長安二十四計」の車椅子の顧将軍がすごくかっこ良かった。

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良いスタッフ、良いキャストが揃って作り上げた良い作品は、いろいろなところに細かな気づかいや工夫を発見できてわくわくする。楽しかったです。

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題名:逐玉 Pursuit of Jade

原題:团子来袭《逐玉》

導演:曾庆杰

編劇:邹越(总编剧)、金子、曾珍

出演:张凌赫Zhang Linghe 田曦薇Tian Xiwei 任豪 孔雪儿 邓凯

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