W杯のお陰でドラマ視聴が停滞気味(笑)、この作品も配信から大分遅れて視聴開始。お話自体はそれ程変わったところはないんだけれど、雰囲気が単なる「古装ロマンス」とは少し違っている気がして不思議な印象の作品だ。
ここから先は中盤までのネタバレが含まれます。ご注意ください。
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序盤のストーリー
物語は女主・葉璃(白鹿 飾)の婚礼当日から始まる。この第一話はかなり上手くできていて手際よく葉璃の置かれている状況を説明してくれる。
実家の面々を見るだけでも(長兄が黒子さんで他もよく見る俳優さんが勢ぞろい)この家で何か起こることは予想できるけれど、行方不明の嫁荷の件を通じて、彼女の母親と彼女が母子共に離山書院に追いやられつい最近戻ってきたこと、葉家では彼女の帰還を喜んではいないこと、同じ日に輿入れする妹が葉璃の元々の婚約者を奪って結婚すること等が判明。葉璃を迎えに来たのは新郎ではなく幼い甥で、足の悪い新郎・墨修堯(丞磊 飾)も葉璃の輿入れを快く思っているわけではないらしい。一方妹の新郎・墨景黎は葉璃に未練があるようだ。新郎がどちらも帝の親戚なので、葉家が力のある家だということも分かる。
この国は墨家の天下で墨修堯も「定王」なのだが、兄が謀反の罪で処刑され本人も戦場で足を怪我し、今ではお目付け役という名目の官吏の元、実質上の軟禁状態のようだ。結婚式の出席すら許されない新郎を目の当たりにし、葉璃は舌鋒鋭く官吏をやり込め式を執り行う。
導入は割とありふれた「先婚後愛(先に結婚して後に愛情をはぐくむ)」ものに見えるし、実際ストーリーはそのように進み甘い場面もあるのだけれど、何となく“恋愛”しているように見えない。
このドラマの導演は「無憂渡」と同じ林玉芬・梁胜权・刘智君のチーム。林玉芬は「三生三世」等ベテラン監督でいつも手堅い演出をする人だ。ただ「無憂渡」が全編を通して底辺に“悲恋”へと向かう空気感が漂っていたように、今回も意図的な“仕掛け”が施されているように思う。
…と思ってたんだけど、20集まで来てこれが本当に意図的なものなのか、単に脚本がバラバラになっているだけなのか、判断がつかなくなった(笑)。どーしよ。
秘密が多すぎる女主
序盤、父と兄の死後(メンタル的に)ボロボロになっている定王府を立て直す下りもごく普通の展開で明るく闊達な女主のイメージだし、腹違いの妹との不仲もよくある話。
一見雅だが葉璃への執着を隠そうとしない妹の夫・墨景黎(蔡正杰 飾)や、奸臣と結託し垂簾政治を布いている皇太后(董洁 飾)も不穏な要素ではあるけれど、これも他ドラマでもよくある設定。
このドラマで一番奇妙で不穏なのは女主・葉璃そのものだ。侍女と談笑しながら暗殺用の衣を縫う葉璃は、怖い。人には見えない侍女と楽し気に笑う姿にも違和感を覚える。
小出しにされる彼女の過去から離山の兄弟子たちが無実の罪で殺害されたらしいことは割に早く分かる。離山の人々はその後軟禁状態にあったらしいことは太后との会話で察することができる。多くの料理を「食べたことがない」と言い、砂糖に執着する葉璃の離山での生活は、恐らく日々の食事にも事欠くものだったろうとも想像がつく。
だから彼女が兄弟子や母の為に行動を起こすことはよく分かるのだけれど、彼女のやっていることと表情や態度の乖離はとても気になり、男主の墨修堯でなくとも「本当に信頼していいんだろうか?」と疑心暗鬼になってしまう。
結局このドラマは終始男主の視点で語られている、と言っていいのかも。こうした古装恋愛譚の視聴者は圧倒的に女性なんで、作り手も普通は感情移入しやすい女主を中心に物語を展開するが今回は全く逆。視聴者は男主と同じ心境で、女主の言動を見守り一つ一つ彼女の謎を紐解いていくことになる。
男主がいない場合も、視聴者は女主の相手をしているキャラクターと同じ立場で女主を見ることになるので女主の考えや言動が今一つ分からず、感情を共有しないまま物語が進む。そういう意味でこのドラマは珍しい視点のドラマだと思う。
ドラマ中盤に至って墨修堯と葉璃の絆は深まっているのだけれど、なんとなく安心できないのは葉璃の側にまだ秘密が多いからだ。そろそろ視聴者的にはフラストレーションが溜まり始めている。…はやくすっきりしたい(笑)。
“不穏”の種はいろいろ
お屋敷の外にも不穏の種は沢山(笑)。
男主のライバルキャラである墨景黎も不穏な一人。先帝の孫にあたるけれど、太子の謀反絡みで命と引き換えに離山を売った過去がある人物だが、復権を狙って姿を隠してしまう。余り陰謀が得意そうにも見えないので、かえって何をするか分からない(けど、姿を消してから全然姿を見ないw)
幼帝は皇太后から実権を取り戻し親政をしたがっているが、部屋で博打に興じたりしていて、余り出来が良くなさそう。皇太后は穆陽侯・周敬と組んで太子を廃し自分が実権を握ったようだけれど、その皇太后と親密な先帝の妃・秦筝も何やら事情がありそう。
新たに登場した外敵との和睦話で更にキャラクターが増え(これも定番と言えばそうなんだけど)不穏の度合いが増した。
後半戦は夫婦が手を携えこれらの複雑な人間関係を上手く利用しながら墨修堯の兄の死の真相を探ることになるんだろうけど、葉璃が新たに言い出した「朱先生」にこちらの不安が募る(笑)ひょっとして古装サイコサスペンス…? 綺麗にまとまってフラストレーションが解消できるといいなあ。
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題名:莫离 40集
原作:凤轻「盛世嫡妃」
編劇:赵娜
導演:林玉芬(総導演) 梁胜权 刘智君
出演:白鹿Bai Lu 丞磊Lei Cheng 蔡正杰 董洁
↓白鹿出演作