lienhua’s Dragon Inn 龍門客棧

中国ドラマと香港映画について書いています 記事についてはINDEXをご参照ください

香港映画

記憶の中の香港映画9 厳しい修業は何の為?「七小福」(1988)

ジャッキー・チェン、サモハン・キンポーらの幼少期を描いた「七小福」(邦題同じ)。以前は配信されていたんだけど、いつの間にか消えてしまった。 この映画、ジャッキーやサモハンを知らなくてもカンフー映画が好きでなくても充分楽しめる、と思う。 ここ…

記憶の中の香港映画8 「東方不敗」という大スターを生んだ「笑傲江湖II 東方不敗」 (邦題:スウォーズマン 女神伝説の章)

徐克製作の映画版「笑傲江湖」は3本あるけれど、個人的には二作目が一番面白いと思う。 「東方不敗」を初めてヒロインに昇格させた、記念すべき作品だ。なぜ一作目がサブスクにあって二作目がないのか、本当に不思議。 ----------------------------------- …

中国ポップスの名曲「再回首」

年末から春節の特別番組で一番歌われていた気がする「再回首」。胡歌や秦昊が歌っているのを観たし、つい先日は電視劇品質盛典で刘宇宁が素晴らしい歌唱をみせてくれた。 この曲がこんなに歌われるのは1990年代初頭をテーマにした二つのドラマ「繁花」と「慢…

記憶の中の香港映画7:笑傲江湖(日本語題名「スウォーズマン 剣士列伝」)

日本語のタイトルからは気づきにくいけれど、金庸原作の「笑傲江湖」だ。 香港では1990年代、華やかなワイヤーワークを使った古装片の大ブームが到来するが、その先駆けとなった一作で、「笑傲江湖」「笑傲江湖II」「東方不敗 風雲再起」とシリーズで製作さ…

記憶の中の香港映画6: 「最底辺の悲惨な生活」ではなく彼らの「家」を描いた秀作「籠民」

「阿麦従軍」の記事を書いた時に張之亮の名前を久々に見たので、今回はこの監督の代表作「籠民」について。 香港の最下層の宿「籠屋」。大きな部屋に所狭しと三段ベッドが並べられ、一つずつ鉄網で覆われている。一つのベッドが「一部屋」だ。そこに暮らす人…

香港への挽歌「燈火闌珊」(「ネオンは消えず」)

香港のネオンの9割が消えたそうだ。 冒頭で流れるナレーションとすっかり暗くなった香港の街並みを見るだけで、心が痛んだ。 街が変わっていくことは仕方がない。 ただ、あのちょっとけばけばしい、過剰なほどキラキラした明かりが好きだった。老舗の高級店…

記憶の中の香港映画5 全盛期の周潤發を是非!「賭神」(「ゴッド・ギャンブラー」)

「亜州影帝」と呼ばれた周潤發の魅力を堪能できる作品。とにかくカッコいい。 何も考えないで、90分を楽しく過ごせる、きわめて香港近映画らしい映画を作る王晶が脚本・監督も務め、周潤發の魅力を最大限引き出した。 以下、ストーリーに触れています。 豆瓣…

王家衛の万華鏡「繁花」①(~6集まで)

王家衛が作っている…という話だけ伝わってきて、一体いつできるのかさっぱり分からなかった「繁花」。2時間の映画ですらものすごく時間が掛かるのに、本当に連続ドラマなんかできるんだろうか(失礼)…と思ったけれど、昨年末から配信になった。 王家衛の映…

英雄を描くのって難しい「天龍八部之喬峯傳」(日本語タイトル「シャクラ」)

日本語のタイトルからはさっぱり分からないけれど金庸作「天龍八部」の映画化だ。 武侠小説は大体大長編だし登場人物も多いので、映画の尺に収めるのは難しい。大抵の場合二つの方法がとられる。 ①有名な部分か人物を中心に粗筋を辿る、ダイジェスト版 ②原作…

記憶の中の香港映画3 古装学園ドラマの元祖「梁祝」(1994)

劉詩詩の名前を聞いたから、でもないけれど、旦那さんの呉奇隆の主演映画だ。 ------------------------ 呉奇隆は台湾のアイドルグループ「小虎隊」のメンバーで、グループの解散を機に香港映画に進出、この映画がほぼ初の主役だった(この前に出演した「新…

記憶の中の香港映画2 悲しい恋人たちの物語 「アンディ・ラウの逃避行」原題:「天若有情」

ラストシーンに触れています。ご注意ください。 ----------------------------------- 豆瓣より香港版ポスター 吳倩蓮の顔が写ってない… 原題から分かるように悲恋ものだ。やくざ組織の末端の組員と、豪邸に住むお嬢様が出会い惹かれ合うけど、運命に引き裂…

記憶の中の香港映画1 気分はウェスタン!「ドラゴン・イン 新竜門客棧」

1990年代、私は香港電影迷だった。 この頃の香港映画は本当に面白かったのだけれど、配信全盛のこの時代、配信されない映画は歴史の中から消えてしまう。ならせめてネットの片隅にでも置いておきたい。…中にはDVDすら手元になく、本当に記憶の中にしかない作…