「開始推理吧」第2季を大真面目に推理する③

この番組の楽しみの一つは、だんだん仲良くなっていく出演者たちを眺めることだ。

第1季から続投の三人は本当に仲良さそうでリラックスしているし、新たに加わった三人も楽しそうだ。今季は毎回ミュージカル風のシーンが入る。歌終わりごとに、歌に慣れていなさそうな张凌赫に刘宇宁が「良かったよ」と声かけているのも印象的。

今回、謎が複雑でだいぶいろいろ考えたので原稿が長いです。

ここから先はストーリーのネタバレがあります。ご注意ください。

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第三案「年会巻不停」事件概要

第三案からは年代が1980年代に変わる。事件が起きたのは1988年の土曜日14時。

場所：推忙活外貿公司の8周年慶典年会会場

被害者：推忙活人事部経理　托馬斯（以下、トマス）

年会で演し物が終わり、新たな会社規則が発表される際壇上にいたトマスが毒殺された。被害者の体内からは推白薬と推黒薬が見つかった。この薬はそれぞれ過眠治療薬と失眠治療薬で、混ぜると致死の毒薬になる。

推白薬は会場のお菓子の皿（巴姐がつまんで食べていた）に、推黒薬は宁船長の演し物用の衣装に付着しており、トマスは巴姐と握手し、船長の服に触れた指を舐めた為（指を舐める癖があった）毒が体内に入ったらしい。

出演者の役名と肩書

探偵役：

刘宇宁→宁船長（46歳）　推忙活外貿公司員工　貨運船船長

周柯宇→柯粒度（30歳）　推忙活外貿公司員工　総経理助理

容疑者：

白宇→白買（35歳）　　　推忙活外貿公司員工　采购部経理（買付担当）

　※白買と柯粒度は従兄弟同士

迪丽热巴→巴姐（25歳）　推忙活外貿公司員工　財務部副経理

张凌赫→赫克服（18歳）　推忙活外貿公司員工　業務部実習生・客服

　※赫克服にとって王巻王は養父のようなもの、らしい

王迅→王巻王　　推忙活外貿公司員工　後勤部保洁（清掃員）

　※少し前まで財務部経理だったが、事件を起こし降格

Xは今回も明かされず。…今回も探偵がこの二人、ということは番組は刘宇宁の三連続Xを狙っている気が…。2回目は大変うまく推理を誘導していたけど、迪丽热巴に見抜かれちゃったからなあ。

証拠品検分

▼アリバイ関係　犯行時刻は12：05～12：45

船長の服は12：05に柯粒度と船長によって事務室に持ち込まれ、置きっぱなしに。

12：45に二人が事務室に戻ったので、その間に毒薬を仕込むことができた。

▼トマスが持っていた「訃告」

　水曜・木曜・金曜に三人の社員「甲時長」「乙奉承」「丙報」が死んでいる。

▼会場にあった「書類カバン」→鍵がないので中身不明

▼白買の証拠品から分かったこと

・白買は結婚資金を貯めていた（結婚の予定はないけど）

・業者に騙され偽物をつかまされ、会社に多額の損害を与えた

・そのことをトマスに知られた

・机の上に「土曜日にお前は終わる」の紙片　トマスが置いた？

▼巴姐の証拠品から分かったこと

・会計士として身を立てようと思っている

・丁打カという人物が会社の金を返さず会社を辞め、経理に穴が開いた

・それをトマスに知られた

・机の上に「土曜日にお前は終わる」の紙片　トマスが置いた？

・誰が提出し何に使ったか不明の8800元の伝票→メモの跡が見つかる

　内容は「我要成為巻王終結者　殺光公司的所有巻王」

　（私は巻王を終わらせる者になりたい　会社の全ての巻王を殺す）

▼赫克服の証拠品から分かったこと

・赫克服は客からのクレームに対応していた。

・隣の部屋でそれを聞いていた王巻王が殷さんというクレーマーへの対応を手伝った。

しかしそのことで殷さんから訴えられる、という結果を招き清掃員に降格された

・王巻王の清掃カートの中から見つかったノートの切れ端の内容

「水曜日の夜中　夜の闇を利用して奴の外出した方向に大石を投げた奴は殴られ死んだ

木曜日の夜中プラットフォームにいた乙を突き落とした

金曜日の夜冷凍庫に閉じ込めて丙を凍死させた　工牌を冷凍庫に落とした」

これを見た赫克服は冷凍庫へ。冷凍庫には王の他にトマスもいた

▼王巻王の証拠品から分かったこと

・以前、日曜日にまで残業していたことで家族に出ていかれてしまった

・この場にいる同僚たちに向けて「もっと人生を大切にしよう」という手紙を書いた

その後、清掃カートを調べに行ったところ、明かりが消え、幽霊のような人影（三人）が現れた。

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上篇まとめ

★「巻王」の意味がそもそも分からなかったんだけど、「競争社会を勝ち抜いた人」という意味らしい。

★今回は、容疑者全員に動機がある。白買と巴姐は仕事の失敗をトマスに知られているし、赫克服は慕っている王巻王がトマスにより殺人犯の疑いを掛けられる、と思っている。王巻王も、もし社員3人の殺害犯だとしたら、トマスに正体を知られたことになる。

★ただ、トマス殺害は「連続殺人」の一部らしい、ということも忘れてはいけないかも。他の三人の殺害や「巻王」が何を意味するのかについては、上篇では言及がなかった。

★そもそも皿と服についていた毒を合わせて狙った人を殺害する、というのは少々不合理だ。その場にいる誰でもいい、と犯人が思っていた可能性も捨てきれない。

その場合トマスの他に「土曜日にお前は終わる」という紙片を受け取っている白買と巴姐も殺害対象に含まれていたのかも。特に菓子は巴姐の好物だったし。

★そうすると犯人候補は二人に絞られるけど…どうなんだろう？

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下篇になって新たな事実が判明。…今までの推理は無駄になったかも？ここから先は結末までのネタバレが含まれますので、ご注意ください。

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下篇は主に探索パート。容疑者全員及びトマスの事務室を探索する。ただ、その前に会場で幽霊騒ぎが起こる。

幽霊騒ぎat年会会場（どうやらローラースケート場らしい）

6人の白塗り幽霊のような人物が登場、明かりが消えて大騒ぎになる。これは1920年代の「長髪魔女」と同じ類？…この件は後々の大問題を解くカギにはなりそうだけど、今回の殺人事件には関係なさそう。

★年会の一週間前、1988年2月7日22時に4444号船が無可奈河に侵入後行方不明に

★船体は見つからず乗組員も行方不明

★乗組員は「大刀疤」「大波浪」「大光頭」「大紅裾」「大痦子」「大眼晴」

★謎の人物たち（6人）はそれぞれの名前を呼び「何処？」と問いかけていた

・気象台からは事前に「航行禁止」命令が出ていた

（王の鍵のかかったロッカーから発見）

・遭難の1時間後23時にはこの件について「通告」が出されている

巻王を殺そうとしていたのは誰？

・「王がトマスの部屋で拾ったメモ（金曜日に発見）」

　土曜日午前10時半　財務部　

　　　　赫克服、怒って部屋を出ていく

　　　　白買、ドアに頭をぶつける

　　　　王、バナナの皮で滑って転ぶ

・「トマスの部屋のロッカーから見つかった手記（4種）」

　1　鳥面の男が来た　執念を持つ人間が循環に入れる→執念を解けば循環から脱出

　　鍵は「渦巻きの画」

　2　渦巻き模様を見たら記憶が蘇った　今回が4回目の循環だ

　3　毎回同じことが起こる　循環から脱出しないと

　4　八人の巻王を殺せばループが止まるはず。全員殺す

この二つの証拠から導き出される答えは

★巻王殺害を企てたのはトマス

★トマスと推理団（と公司の他の社員）は「タイムループ」に閉じ込められ、同じ時間を繰り返している（四回目）

ではいつからいつまでを繰り返しているのか？どうやら

先週日曜日

（王の家族、白の女友達と従兄弟、赫の父親が行方不明になった日　4444号の遭難）

～今週日曜日

（トマスの金曜日の手記に「あと二日しかない」と書かれている）

トマスは鳥のお面を被った人物からループのことを聞かされ、社のポスターで「最新巻王」として紹介されていた人物全員の殺害を計画したらしい。ちなみに「最新巻王」は王を除いた「推理団5人」+「甲乙丙」。

正直トマスの部屋の探索でこの事実が判明したため、犯人探しは混乱する。…でも

①4回目の今回で、イレギュラーな出来事はどれか？

②トマスは過去3回のループで生きていたのか、途中で死んだのか？

③犯人はタイムループの事実を知っていたか？

が分かればきっと犯人が分かる…はず。

①から③を検証する

①4回目の今回で、イレギュラーな出来事はどれか？

トマスのメモと起きた出来事を比べてみると、船長の服に推黒薬を振ったことだけがイレギュラーな出来事であることが分かる。

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2/7（日）　4444号遭難　王の家族、白の女友達と従兄弟、赫の父親が行方不明

2/10（水）トマスが甲時長を殺害

2/11（木）トマスが乙奉承を殺害

2/12（金）トマスが丙報告を殺害

2/13（土）

08：50　赫克服、冷凍庫へ

09：00　王巻王とトマスが冷凍庫に現れる

10：30　財務部で赫克服が怒りだして出てゆく

　　　　財務部で王巻王がバナナの皮で滑って転ぶ

　　　　財務部で白買が頭をぶつける　　　　　　

12：05-12：45の間に犯人が船長の服に推黒薬を振りかけた

11：30-12：35　王巻王、トマスの部屋を掃除

12：05　宁船長と柯粒度が船長の衣装を業務部に運ぶ　赫克服は在室

12：25　白買、釣具屋に向かう

12：35　王巻王、理髪店に向かう　この時巴姐は執務室にいた

12：35過ぎ　王が理髪店に行くのを見た後、自分も財務部を離れ外出

12：45　宁船長と柯粒度が業務部に戻る

容疑者の証言はいずれも本人の弁で出かけたという証拠はない。

白買の「釣具屋に行った」という証言も釣具屋からのファックスが来たのは先週で、以降は原因不明の理由でファックス自体が機能していない。

部屋の配置から考えて、一番奥に事務室がある巴姐は、衣装が運ばれてきたことを知らなかった可能性が高い。運ばれてきた時間にトマスの部屋にいた王も然り。

逆に赫克服と白買は衣装が運ばれてきたことを知っている可能性が高い。

②トマスは過去3回のループで生きていたのか、途中で死んだのか？

イレギュラーな事態でトマスが死亡した、ということはトマスはこれまでのループでは殺されておらず、日曜日にループを繰り返していた可能性が高い。トマスが巻王を殺そうともくろんだのはあくまでも「ループから脱出する為」だと思われる。

③犯人はタイムループの事実を知っていたか？

一番の問題はこれ。ループに巻き込まれている人たちは「渦巻き模様」を見ないと記憶を取り戻さないようだ。

また、ループの決定的証拠が入ったロッカーは、トマスの部屋の鍵を開け、時計の仕掛けを解かなければならない。しかも時計は火曜日13時にペイントされ、4日後までペイントが乾かない。（時計下の修理人のメモ）こじ開けた痕跡がないことから、決定的証拠には誰も触れていないことになる。

以上からトマスが自らを殺そうと思ったことを知っているのは、あらかじめ殺人予告の紙をもらった白買と巴姐だけ、ということになる。

ということは秘密を握られ、命を狙われor恐喝され、且つ衣装が運び込まれたことを知っている人物が犯人なのでは？だとすると、Xは時計修理人のメモを無視したあの人、だよね。

トマスの殺人計画とは？

甲乙丙の三人を事故に見せかけて殺したのはトマスだが、残りの5人（推理団の5人）をどのように殺すつもりだったのか？…以下推測。

・菓子に推白薬を振りかけたのはトマスではないだろうか？（←トマスは自分が壇上で規約を発表するまで菓子を食べるのを禁じた）

・多分他の菓子、或いは飲み物に推黒薬も仕込まれており、自分が会場を去った後で、5人が毒殺される手はずだったのでは？（会場に残された黒白の薬瓶が証拠）

そもそもこの毒薬は2種併せて初めて毒になり、単体では唯の治療薬だ。この公司はいろいろ手広く扱っているから、この薬も販売品のうちなのでは？（だから入手経路を誰も気にしない）もしトマスが片方の薬を常用していたなら、薬を盛る手間は半分で済む。毒を使って殺人を考えたのは犯人もトマスも同じってことなのでは。

但、トマスは根本的に鳥の面を被った男から教えてもらったことを間違えて解釈していたんじゃないだろうか？

「執念を持った人物」とは4444号の乗組員で、「執念を解いてやればループも解ける」のは彼らの無念を晴らす（つまりは気象台の警告を隠して出港させたのは誰ってことだけど）ことがループ解除に繋がる…と思うんだけど。この辺りは次週持ち越しかな？

そもそもこの世界は現実か？

もう一つ疑っているのは、今推理団がいる世界は果たして現実なのか？ってこと。

4444号の乗組員が彷徨っていることからして、ここってこの世とあの世の境目？

そうであれば王や白や赫の家族は失踪したのではなく、逆に推理団が現実世界から姿を消したことになる。ファックスが繋がらないのも当然…。推理団がループに巻き込まれたのは、トマスが殺害を計画したから…なのか？それとも他に理由があるんだろうか？

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と、ここまで下篇の最終盤を見ずに書いてみたけど…

うーん、犯人とXは予想通りだったけど決定的証拠が順番だったとは…。ってことは、犯人はループに気が付いてたってことか…。（と思ったけど、後で犯行の手順の動画を見たら予言の通りに事が進む、ってことを知っただけだった。どっちにしろあの不確定な方法で殺人を計画できるのは、これから起こることを知っている必要があることを忘れてた）

今回、難しい。あと、カートのごみ袋で見つかった「なんで俺？10：30」のメモのことはすっかり忘れてたよ…。