「蔵海伝」予想と違って盗墓系ではないけれど、とっても面白い。
序盤こそ仕掛けだらけの陵墓が登場するけれど、どちらかというと敵の懐深くに潜入して、情報集めて…というのが中盤までの主人公の動き。テンポが速く先が読めない展開で、他にも観たいドラマが溜まっているのについつい見進めてしまう(笑)。
ここから先は中盤までのストーリーのネタバレが含まれます。ご注意ください。
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「蔵海伝」はオリジナル脚本?
企画が発表された当時は南派三叔の「盗墓筆記シリーズ」の一作「蔵海戯麟」が原作だと伝えられた。主人公の「汪藏海」は汪家の始祖で明朝の建築家。汪家は小哥や仏爺の属する張家のライバルだ。
ただどちらかというと汪家は(ドラマのみの印象だけれど)ヴィランのイメージが強い。特に「沙海」なんかでは手段を選ばず盗掘している感じだ。主役が肖战なのにどうするんだろうと思っていたら、いつの間にか汪の字が取れて只の「藏海」になり、脚本もオリジナル脚本と表記されるようになっていた。
そもそも「蔵海戯麟」自体が断片的な4章のみの作品であるらしく、主人公も明朝の高官で潔癖症でお洒落、とドラマとはだいぶ違う(勝訊網2025.05.21)。
ストーリーも墳墓の建築、ではなく(仕掛けを解いたりはするものの)復讐譚。父が墳墓から持ち帰ったらしい「瘖兵(ゾンビ兵)」を操れるという宝物「癸璽」。この宝物の為に主人公蔵海の一家は惨殺されてしまう。唯一人、仮面の老人に救われた蔵海は、師父たちから建築学その他を叩きこまれ、上京。仇である将軍・庄芦隐とその部下たちに近づき、復讐を果たそうとする…。
ちらちら覗える「盗墓」っぽさ
ただ、そもそもは「盗墓筆記」の前日譚だったんだろうと思える名残も見受けられる。
墳墓に人が入ると息を吹き返す「瘖兵(ゾンビ兵)」もそうだし、仇探しのキーアイテムになる「銅魚」もそう。「蔵海戯麟」は明代が舞台だそうだが、仇の一人の太監の名前「曹静賢」も実在の太監の魏忠賢を思い起こさせる。
何より、古装で地底探険をしているのを見ると心躍る。いつも墳墓探険は洋装だし…。あの長い袖で発掘したり罠を避けたりするのは大変そうだな―と思いつつも、ビジュアル的に新鮮で楽しい。「蔵海戯麟」の汪藏海は最終的に長白山で青銅扉を探し当てるみたいだけど(網易2025.06.02)あの格好で山登りしたんだろうか…。
「墳墓の中に潜る」というのは序盤だけだけれど、地下水道を進むカメラワーク等にもちょっとした「冒険もの」のテイストが加えられていて楽しい。
「スパイ大作戦」を思い出させる“チーム戦”
一口に「復讐譚」といっても「相手が強くて叶わない」だけではない。
ストーリーが進むうちに父の仇は将軍だけでないことが発覚。朝廷で幅を利かせる太監・曹静賢ともう一人の3人組らしいけど、未だよく分からない。その他にも王族やら謎の美女やら怪しい人物が一杯でそれぞれが「癸璽」を手に入れようと密かに動いている模様。
主人公もたった一人、というわけではなく変装の名人の師父、医療技術を持つ幼馴染とその弟子の剣豪等が協力。所謂チームで仕掛けていくのは往年のTV番組「スパイ大作戦」(映画「ミッションインポッシブル」じゃなくて)を思い出す(古いけど)。
登場人物は多いけれどこんがらがったりしないのは、回想シーンの挟み方が巧みだからだと思う。この人誰?と思うところでちゃんと思い出させてくれるし、長すぎたりしつこ過ぎてうんざりすることもない。ストーリー展開の巧みさに加え、この辺も脚本家が上手な証。
肖战を支える役者さんたちが渋い
蔵海の師父以外の小父さんたちはほぼヴィランなのだけど、ベテランの役者さんたちが皆上手。特に悪辣だし冷酷なんだけど身内に対しては情に厚いところも見せる庄芦隐将軍は、複雑な人物像を上手く表していて感心する。「九義人」でとんでもなく悪い男を演じていた乔振宇が演じる永容王爺も、単に癸璽の秘密を知っている人物、というだけではなさそうだし、これからお話にどう絡むのか楽しみ。
こうしたベテランの役者さんの層が厚いのは何だか羨ましい気がする。
ドラマはまだ折り返し地点。これからどんな物語が繰り広げられるのか、楽しみ。
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題名:藏海传 藏海傳 The Legend of Zang Hai
導演:郑晓龙(総導演) 曹译文 40話
編劇:赵柳逸
出演:肖战Xiao Zhan 张婧仪 周奇 黄觉