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「蔵海花」は「終極筆記」の続きです(~15集辺りまで)

「盗墓筆記」シリーズの最新作が配信になった。

「蔵海花」は時代としては「終極筆記」から10年後、話の順番としては「終極筆記」と「沙海」「重启之极海听雷」の間だ。

ここから先は「蔵海花」のストーリー及び「終極筆記」の最終盤のストーリーのネタバレがあります。ご注意ください。

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「蔵海花」微博よりイメージポスター 他のは顔写真のみなのでこれがドラマの印象に一番近い

謎多き青年、小哥の過去を紐解く物語

「盗墓筆記」シリーズを「蔵海花」から観始める人がいるかもしれないので、これまでのお話の簡単な説明を。

 

この物語の主人公・呉邪は盗掘を生業とする一族の出身。ある時、祖父の残した「盗墓筆記」に記された「不老不死」の秘密を探ろうと遺跡探検を続けていた叔父・三叔が失踪。呉邪は三叔を捜す為「盗墓筆記」に従って親友の胖子、三叔の探検隊に加わっていた不思議な青年・小哥と共に、遺跡探索に乗り出す。

登場人物や用語についての詳しいことは以前の記事を参考にしていただけると嬉しい。

 

今回のドラマは「終極筆記」の物語の更に後、小哥が青銅扉の向こう側に消えてしまってからの物語だ。小哥の過去は、小哥自身が「失魂症」で過去の記憶を失っているため、よく分からなない。思い出しても発作が起きるとまた忘れてしまうので、呉邪は小哥の過去を探り、記録に残すことを思いつく。

 

小哥の手がかりを追っていたら、小哥の出身である張家の一族(小哥は綽名で本名は張起霊)と、裘德考(ヘンドリクス)の後継者が訪ねてきて、無理難題…じゃなかった「夜王」という謎の敵が現れるので何とかしてくれと言い出した、というのが序盤のストーリーだ。

 

今回の呉邪は「三体」の张鲁一

「盗墓筆記」シリーズ(途中で製作会社が変った)では呉邪は毎回変わる。このドラマの前は曾舜晞だったけど10年の時間が過ぎているので、今回の呉邪は张鲁一。とても知的な呉邪だ。

演じる役者さんによって呉邪の性格は少しずつ違うけれど、基本的に「天真」というあだ名の通り、正義感が強く、命を大切にする人物だ。ちょっとした毒の部分もあるにはあるけれど、今回は芯の強さ、意思の強さが前面に出ている感じだ。今回の呉邪は今までになく心身共に大変そうだけれど、その頭脳と徹底的な誠実さで乗り越えていく。

 

胖子は「沙海」「重启之极海听雷」と同じ陈明昊。小哥こと張起霊は张康乐。「九義人」で真面目な捕吏をやっていた役者さんだ。呉邪と胖子の掛け合いは、誰が演じても重苦しい展開になりがちなこのシリーズの中のオアシスだし、今回も二人がどんなに小哥を大切に思っているかが分かる台詞が沢山あって嬉しい。

 

常に胡散臭い話を持ってくる金万堂は「终极笔记」「盗墓笔记重启之极海听雷」から続投の张帆さん。2つの制作会社を跨いでる…イメージにぴったりってことなんだろう。小花こと解雨臣は「重启~」のスピンオフ映画で同役を演じていた季肖冰。

「蔵海花」微博より今回の小哥 過去編は一人旅なので寂し気なシーンが多い

「蔵海花」の第一集はファンには堪らないサプライズ

何故かというと、今まで絶対に映像化されないと思われていた「大結局」が(だいぶ短くなってはいるけれど)映像化されたから。

 

「終極筆記」の終わりを覚えておられるだろうか?

彼らが最後に探検することになる張家古楼。呉邪と小花と黒眼鏡、胖子と小哥(張起霊)らとに分かれて探索中、パズルを一つ間違えた為、小哥と胖子らは古楼で行方不明に。彼らを救うべく呉邪は三叔になりすますことを決心…というところでドラマは唐突に終わりを迎えてしまう。

 

で、あの後どうなったか、というのをかいつまんで説明しているのが、第一集の回想シーンなんだけど、あれでもちょっと良く分からいと思うので、説明できるところだけ説明してみる。

 

「終極筆記」のその後

一部しか「大結局」を読んでいないので、大変大雑把だけど「終極筆記」と「蔵海花」の間に起きたことは下記の通り。

 

「終極筆記」の後、結局胖子だけが見つかり、小哥は行方不明のまま。残りの人たちを捜すための入り口は張家の男(写真を持ち逃げした体術の凄い黒服)が知っており、三叔に成りすました呉邪はあちこち交渉の挙句、何とか再度張家古楼に潜り小哥を捜す。

結局、一緒に古楼を探険していたはずの霍仙姑や裘德考(ヘンドリクス)の部下は全て死んでおり、小哥だけが瀕死の状態で見つかる。

(正直この部分だけ原文を読んだけれど、その後の部分を読んでいないので話が飛びます)

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「雲頂天宮」に登場した青銅扉(ラストで皆が吸い込まれてたアレ)。実は九門が順番で守らなければいけないものだったらしく、順番としては呉家、つまり呉邪の番にあたる…のだけれど、結局小哥が代わりに青銅扉に入り10年守ることになる。

 

そんなわけで「蔵海花」時点で小哥は所在不明、ということらしい。

 

張家と小哥の謎

今回は小哥の過去の冒険と現在の呉邪と胖子の冒険が同時並行で描かれていくので、遺跡探険シーンも多めでワクワク感も大きい。三人一緒の処が見たい…とは思うけれど、お話の進行上仕方がない。

小哥以外の張家の人間が前面に出てくることはあまりなかったので(老九門の仏爺は別格)、小哥の過去と同じくらい謎だらけの一族の秘密が分かるかも、と思うと嬉しい。

 

小哥についてはそもそもいつ何処で生まれたのかも、両親のこともよく分からない。張家一族の族長である、という話は以前「雲頂天宮」で触れられていたと思うけれど、彼が族長になった経緯は今回のドラマで初めて明かされた謎だ。

 

「不老」「長生」については、小哥以外の張家にも症状が出ることは「老九門」の副官で現在の新月飯店の老闆、張日山の例でも明らかなのだが、今回もっと多くの張家の人間が「不老」「長生」であることが分かった。只完全に不老というわけではなく普通の人間よりゆっくり歳を取る、ということのようだ。

 

張家一族が住んでいた場所は、これまでにも張家旧宅や隠れ里、張家古楼(これは墓所だけど)等が登場したけれど、今回新たにもっと町場に下りてきていたことが判明。文明からも遮断されたような生活をしていると勝手に思っていたけれど、そうでもないみたいだ。

 

お話は前半折り返し、といったところ。「夜王」を倒すための武器?になる「天仗」なるものを捜すには三つの鍵が必要で、とりあえずその3つの鍵を探すための冒険が展開。裘德考の後継者は夜王を生きたまま捕まえて「長生」の謎を解きたい、張家は夜王を倒したい、と思惑は平行線だし、小哥に恨みを持つ張家の人間も邪魔に入る。

 

夜王のようなこの世界の「敵」というような存在は今まで登場してこなかったし、肝心な時に小哥がいない!という事態も初めてのことだ。小哥の手助けなしで呉邪と胖子がどう対処するのか、楽しみだ。

…更新が週後半だけ、と出し惜しみ状態なのでじれったいけど。

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題名:藏海花 藏海花 Adventure Behind the Bronze Door 36集

原作:南派三叔「藏海花」 編劇:张沅玫含、邓悦、黎藻 

導演:韩青 

出演:张鲁一Edward Zhang 陈明昊 张康乐 文咏珊 Janice Man 

 

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