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「終極筆記」① 観る前に知っておきたい幾つかのこと

久々にFODを覗いてみたら「終極筆記」が来ていた。日本語字幕付きで「盗墓筆記」シリーズが見られる!しかもエンドロールのNG集にまで字幕あり。

 

「盗墓筆記」シリーズ、大好きだ。

「終極筆記」は「盗墓筆記」ドラマシリーズの中では(ドラマ内の)時系列的に4作目にあたる。(このシリーズは制作側のいろいろな都合で、必ずしも時系列の順に作られているわけではない。)

日本には少ない「冒険もの」というジャンル。中国ドラマではこの「盗墓筆記」(南派三叔 作)と「鬼吹灯」が二大シリーズで「鬼吹灯」(天下覇唱 作)の方は既に3作が日本に上陸しているにも関わらず「盗墓筆記」はまだだった。

 

ただ「鬼吹灯」に比べ「盗墓筆記」は分かりづらい。過去の因縁やらシリーズ通しての謎やらが多く、初心者にとってとっつきにくいことこの上ない。私は第2季(「終極筆記」の前の前)から見始めたのだけれど、最初は余りの訳わからなさに、投げ出そうと思った。

でもそれさえ乗り越えれば、魅力的な主人公たちとシチュエーションに魅了され、シリーズの他の作品もきっと観たくなる、はず。

 

そこで「終極筆記」を観る際に突然出てくる用語や人間関係をネタバレしない程度に解説してみようと思う。これで少しは序盤の分かりづらさが解消されるかも。

但し原作を読める程中国語に堪能なわけではないので、ドラマシリーズを観て、あくまで私の理解した内容、及び百度百科等を調べた結果なので、あやふやだったり間違っていたりするかもしれない。その点はご容赦ください。

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「終極筆記」豆瓣よりポスター 

■呉邪と冒険の仲間

呉邪:

主人公。古くから盗掘を生業とする長沙の「九門」のうち、呉家の唯一の後継者。骨董店を経営。胖子からは「天真」、三叔の仲間からは「小三爺」と呼ばれる。

小哥:

本名、張起霊。年を取らないらしく(長生術)三叔達の世代が行方不明になった西沙の海底墓探検にも同行した。長生術の副作用としてこれまでの記憶を失っている(失魂症)。黒金古刀を背負い、体術は超一流。麒麟の刺青がある。

胖子:吴邪の親友のトレジャーハンター。呉邪が冒険に出る時は大抵一緒。

 

この3人は「鉄三角」と呼ばれる堅い絆で結ばれている、という設定。但し小哥とは予め一緒に冒険しよう、といって旅立つのではなく、呉邪が危機に陥ると何処からか現れる、といった具合。小哥はもともと三叔が連れてきた人物で、三叔に雇われて冒険に加わることもある。

 

■「九門」って何?

「九門」とは長沙で古くから盗掘を生業としている9つの家。「盗墓筆記」シリーズには3つの世代が登場する。

第一世代:

「老九門」と呼ばれる。大仏爺こと張啓山がリーダー格。呉邪の呉家、小哥の張家、小花の解家、霍秀秀の霍家も「九門」。「終極筆記」時点で存命なのは霍仙姑(秀秀の祖母)のみ。大きな秘密を隠している、と思われている世代。「盗墓筆記」のヴィランアメリカ人の裘德考(コックス)も同世代。

第二世代:

三叔こと呉三省の世代。西沙海底遺跡で三叔以外は全員行方不明になった。「終極筆記」冒頭のビデオに映っている陳文錦もその一人。彼女も九門の出らしい。

第三世代:

呉邪と小花(本名:解雨臣)霍秀秀らの世代。実質この三人しか登場しない。

 

■その他の登場人物

阿寧:

「盗墓筆記」シリーズのヒロイン。長生術の秘密を狙う裘德考の部下。吴邪を利用したり協力したりする。裘德考は呉邪を監視しその行先に先回りしたりするので、行く先々で出会って共に冒険することになる。部下を大勢連れ、装備も立派。

潘子:

三叔の忠実な助手。ベトナム戦争の帰還兵で、サバイバル技術に優れる。

黒眼鏡:

ベテランのトレジャーハンター。「黒爺」「黑瞎子」とも。夜でも絶対にサングラスを外さない。暗闇で見える目を持つとも言われる(でも懐中電灯使ってるよね)し、小哥とは別の長生術が伝わる一族という話も。小哥とは何等かの関係があるらしい。

 

■西沙海底墓の事件って?

第二世代の九門を中心にした探検隊が、恐らくは第一世代が隠している秘密を探るべく西沙海底墓に出発し、行方不明になってしまった事件。戻ってきたのは三叔と小哥だけで、三叔は事件の詳細を一切語らないし、小哥は記憶を失くしているので真相は不明。呉邪たちは阿寧に呼び出されて海底遺跡を探検したが、そこで「三叔に殺される」という内容の解連環(小花の叔父。三叔と顔がそっくり)の血文字を見つけた。

 

■呉邪の冒険の目的は?

そもそもは呉邪が祖父の日記(だと思うんだけど。もっと前の祖先だったか、記憶があやふや。これが表題の「盗墓筆記」)を見つけたことから始まるのだけれど、大抵怪しげなものが送られてきたりして冒険が始まる。三叔が盗墓筆記を参照しながら第一世代の秘密を解こうとし、その三叔の行方や目的を知ろうと呉邪が冒険する、というのが一番近い感じ。

三叔は胡散臭い人で、行動には謎が多いし、裘德考と組んだりもする。西沙海底墓から帰ってきた三叔が、果たして本物なのか、という点も当初から引きずっている謎の一つ。

「終極筆記」前に呉邪が訪れた遺跡は次の通り。

七星魯王宮→西沙海底墓→秦岭神樹→長白山雲頂天宮→「終極筆記」蛇沼鬼城

どの遺跡も「西王母」或いは「不老不死」に関係があり、謎の生物やゴーレムやらが登場する。

 

■冒頭で三叔が入院しているのは?

…多分雲頂天宮で大怪我したから。「終極筆記」配信時点では「雲頂天宮」はドラマ化されていないので、つじつまが合わないけど。

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…と多分このくらい理解していれば、すんなり「終極筆記」の世界に行けると思う。

 

そもそも「盗墓筆記」のドラマ化作品は6つ(前世代を描いた「老九門」を含めると7つ)ある。「終極筆記」「沙海」「重启之极海听雷」は間違いなく面白いけれど「盗墓筆記(第一季)」「怒海潜沙&秦岭神樹」「雲頂天宮」はオリジナル要素が多すぎたり、辻褄が合わなかったり、尻切れトンボだったりして、人には薦めづらい。でも「終極筆記」を観て先が気になったり、キャラクターが気に入ったりしたらぜひ他の作品も見てほしいと思う。…できれば他の作品も日本語字幕付きで観たいんだよね。冒険ものの魅力の一つ、うんちくの部分の部分が中国語字幕だと分かりづらい…。

 

ただ「終極筆記」を観終わった後にはさらに多くの疑問が生まれるだろうと思う。

(あの終わり方なので…)

エンドの後のこと、「盗墓筆記」シリーズについてのあれこれは別記事に記したいと思います。

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原題:終極筆記 终极笔记 Ultimate Note

原作:南派三叔「盗墓笔记」小说シリーズ(「蛇沼鬼城」「谜海归巢」「阴山古楼」「邛笼石影」)

導演:鄒曦、馬小剛、衛立洲 編劇:田良良、張鳶盎 37集

出演:曾舜晞 肖宇梁 成方旭 劉宇寧

 

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