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「終極筆記」② エンド後に知らせておきたいあれこれ

「終極筆記」を最後までご覧になった皆さん、お疲れさまでした。

…怒ってませんか?あきれてませんか?

 

怒るのも当然だと思う。私も最初観た時唖然とした。何でここで終わるかなー。

…どうしても先が知りたかったので、いろいろ調べた。というのも、この先は「盗墓筆記」シリーズの最終巻、全ての謎が明かされる部分に直接繋がっているから。

今回はその他の「盗墓筆記」シリーズをご紹介しながら、エンド後彼らがどうなったのか、等観た方の疑問に少しでも応えたい。

できれば、シリーズの他の作品も見てほしい(切望)。

 

ここから先はエンドや「盗墓筆記」のネタバレが含まれます。ご注意ください。

「盗墓筆記 秦岭神樹」豆瓣より 成毅の軍服姿。これだけでも見る価値が…

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何故、お話があそこまでなの!?

小哥と胖子は行方不明。呉邪は三叔の仮面を被って三叔に成りすますことにする…で終わりなんて酷い!

でも今回は、それまでの歓瑞世纪製作の同シリーズとは違い、原作準拠の終わり方。

このまま話は最終巻「大結局」へと繋がる仕組み。

「大結局」では小哥を捜しに本丸の張家古楼を探険することになる。

ただこの「大結局」、呉邪は三叔に成りすましたままだし、小哥、胖子もいないので、映像化する旨味が少ない。なので今までドラマにもなっていないし、これからも期待薄。ここまで映像化したなら、謎は解いてほしいんだけどなあ。

 

小哥、胖子はどうなった?

大丈夫、生きてます。

ただ「大結局」の終わりで小哥は天頂雲宮の青銅門に籠ってしまい、10年間離れ離れになる。胖子ともばらばらになり、鉄三角はそれぞれの路を行くことに。その間呉邪が何をしていたかを知りたい人には「沙海」がおすすめ。

 

・沙海(主演:吴磊・秦昊 2018年 52集)

「盗墓筆記少年編沙海」が原作。主人公は次世代の少年たちだが、吴邪が重要な役回りとして登場。小哥がいなくてすっかりやさぐれた呉邪は呉邪は三叔そっくり。小哥は呉邪の想い出話にしか登場しないけれど「終極筆記」と同じ肖宇梁。(そもそも製作年度はこちらの方が先で、この時の小哥役が好評だった為同じキャスティングになったらしい)胖子や黒眼鏡も登場する。冒険先が砂漠なので、風景がとても綺麗。

 

呉邪の台詞「小哥が戻ってきた時俺たちのこと忘れてたら、また一から同じ場所を旅して思い出させてやるんだ…」(意訳)には泣かされた。「終極筆記」を観た後なら、呉邪と同じ気分に浸れるはず。

 

三叔は行方不明のまま?

行方不明のまま。でも、呉邪は三叔を捜すのを諦めたわけではない。

年表的には「沙海」の次にあたるのが「重启之极海听雷」。呉邪が末期がんであることが判明して、心残りである「三叔の行方」をもう一度捜そうとする物語。

 

・「重启之极海听雷」(主演:朱一龍 2020年 第一季32集 第二季30集)

正直、シリーズの中でこれが一番面白いと思う。小哥も山から下りてきて鉄三角再結成だし、二叔(胡軍 飾)、黒眼鏡(陳楚河 飾)も活躍するし、小哥の信奉者で超絶耳の良い劉喪(劉暢 飾)もいいキャラ。出演者も豪華だし、謎を解く過程もスリリング。三叔がいたと思しき部屋から見つかる、大量の雷鳴だけを録音したテープは何を意味するのか?

小哥役は黃俊捷。今回の小哥は自分の記憶を取り戻そうとしているわけではないので、普通に頼りになる兄貴分。

 

「盗墓筆記」その他のシリーズは?

「終極筆記」以前の冒険については、一応全てドラマ化されている。いずれも歓瑞世纪の製作。歓瑞世纪が作ったものは、どれもラストがぶん投げ!って感じなのが、人に薦めづらい理由。

 

・盗墓筆記 (主演:李易峰 2015年12集 原作:「七星魯王宮」)

オリジナルキャラが加わりオリジナル展開も多いので、鉄三角感は薄め。ただ、小哥役がブレイク前の楊洋だ。一応「七星魯王宮」の逸話等は展開する。

正直これを観るくらいなら原作者南派三叔が自ら製作した映画「盗墓筆記」(主演:鹿晗 2016年)を観た方がいいかも。短いし(笑)からくり人形屋敷は不気味。

映画版の小哥は井柏然で、阿寧は馬思純だ。個人的に馬思純の阿寧(逞しくて強い)が一番キャラとしてしっくりくる感じ。小哥については、原作者はこんなイメージなのか、とちょっと吃驚。

 

・盗墓筆記 怒海潜沙&秦岭神樹(主演:侯明昊 2019年40集)

原作はタイトル通りの2つと何故か「雲頂天宮」の途中まで。呉邪に侯明昊、小哥は成毅、という組み合わせで、小花は劉学義、と綺麗どころが揃う。…迷宮探検パートは面白いのだけど、地上パートが冗漫でいろいろ残念。特にラストは「終極筆記」より更に酷いぶん投げ方だ。

それでも西沙考古隊がどうなったのか、を探る「怒海潜沙」パート(12集まで)は面白い。シリーズ通して続く謎も提示されるし(解決されるわけではない)。

「秦岭神樹」(13~35集)は「盗墓筆記」シリーズの本筋と余り関係のない話。ただ地下に生える大樹とか、大量の鈴とか、楽しい仕掛けはいくつも登場。

 

「秦岭神樹」の中でも32集~35集の「迷霧村古墓」パートだけは観てほしい。このパートは他の部分とほぼ独立して進行する民国時代の物語。小哥とよく似た張不遜(成毅二役)が革命熱に浮かされ張高原(張天陽 飾)の私軍に参加するが、肝心の張高原は不老不死の伝説に取りつかれ…という話で、とても面白い。成毅は素朴な学生から憂愁を湛えた軍人までをやっていて、その演技力を堪能できる。

発掘され運び出された張不遜の遺体については続く「雲頂天宮」で言及される。

 

・盗墓筆記 雲頂天宮(主演:白澍 2021年 24集)

シリーズ中一番評判の良くない一作。歓瑞世纪と原作者が揉めた挙句、版権引き上げになるリミットぎりぎりで作った、という曰くつき。

前作で長白山に行ったはず…なのに、その部分はまるっとなかったことにされて、その前からお話が開始。…呉邪の性格が余りに天真すぎるのと、セットやCGがいろいろチープ。

小哥が10年もの間番をすることになる「青銅の扉」が登場するのと、かつての探検隊の謎も提示されるんだけど「大結局」が映像されないことにはあんまり意味がない…かも。

 

その他、呉邪たちの祖父の時代、最初の「九門」を描いたドラマ「老九門」も製作されている。主人公は「終極筆記」でも言及されていた張大仏爺こと張啟山(陳偉霆 飾)。

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ドラマシリーズの他に単発の網路電影も幾つか作られている。

「盗墓筆記」シリーズは(例え出来が多少アレでも)民間伝承や怪異が織り交ぜられていて、他の冒険ものにない独特のおどろおどろしさ、というかお化け屋敷を除くようなわくわく感がある。小哥は誰が演じてもかっこいいし。

気になったら他の作品も是非覗いてみてください。

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原題:終極筆記 终极笔记 Ultimate Note

原作:南派三叔「盗墓笔记」小说シリーズ(「蛇沼鬼城」「谜海归巢」「阴山古楼」「邛笼石影」)

導演:鄒曦、馬小剛、衛立洲 編劇:田良良、張鳶盎 37集

出演:曾舜晞 Joseph Zeng Shunxi, 肖宇梁 Xiao Yu Liang, 成方旭, 劉宇寧 Liu Yuning

 

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