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上出来の推理バラエティ「開始推理吧」

「開始推理吧」の第2シーズンがもうすぐ始まるらしい。ポスターや出演者や予告が次々発表されて、楽しみだ。

第1シーズンはとても面白かった。作りは推理ゲームのアトラクションに近いけれど、お話の展開が大変よく練られていて、唸らされた。

推理バラエティなので、ネタバレがないように書いているつもりですが、ストーリーの一部には触れています。ご注意ください。

「開始推理吧」微博より 第1季ポスター 誰が一番びびりでしょう? 

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番組の仕組み

第2シーズンは変わるかもしれないけど、第1シーズンは以下のような作りだった。

 

基本はアトラクションがそのままスタジオに移動したような感じだ。第1シーズンは「11号アパート」というちょっと変わった形のアパートが舞台。レギュラー出演者はアパートに住む住人(&アパートの管理人)で、同じ時期に引っ越してきたという設定。

 

出演者には一応役名と設定があるが、台本通りに進むというわけではなく、起きた事件の真相を解明し、犯人を突き止める、のが基本の流れ。但し毎回、推理団の誰かが事件の当事者(容疑者)になるので、その人の言動には要注意。

 

<11号アパートの住人(推理団)> 初期設定

白三碗(白宇):麺屋の主人

刘下来(刘宇宁):勤め人?

宋漂亮(宋祖儿):美容のお店経営

周可可(周深):チョコレート店経営

柯务酷/柯五苦(周柯宇):学生?/修理屋

郭包佑(郭麒麟):推理小説家 司会進行役も兼ねる

 

キャスティングは豪華。

殆どの台詞はアドリブと思われ、割と真面目にトリックを考える人もいれば、白宇みたいに仲間にいたずらを仕掛けてばかりの人もいて、番組内での振る舞いはフリーダム。出演者の意外な一面が見られるのはバラエティならではの醍醐味。

 

推理バラエティなので起こるのは全部殺人事件だけど、死体は人形だし、セット自体はおもちゃじみたスタジオセットなので、そうしたものが苦手な視聴者にも優しい作り。

大体は上・中・下で1つの事件が解決する。

事件ごとにゲスト出演者がおり、毛晓彤・孟子义・赵丽颖…等豪華。そういえば先日「与風行」に出演していた辛云来も出ていた。(「与風行」観た時以前何処かで、と思って思い出せなかった…。すっきりした。)

 

探索パート+尋問パート+犯人当て投票+解説

事件が起こるとまず手がかりを捜す探索パートになる。

アパートにはいろいろな仕掛けが施されていて、暗号があったり、隠し部屋があったり、仕掛けを解かないと脱出できない部屋なんかもあったりする。突然明かりが消えたりもしょっちゅうで、誰が一番ビビりかよく分かる(笑)。

 

犯人、或いは情報を持っている人に対する尋問パートもある。毎回レギュラー陣の誰かは尋問される側に回ることに。

 

お話の展開に従い、二つのパートが繰り返され「犯人は誰か」の投票へ。推理が当たっていれば鍵みたいなのがもらえるのだけど、何の役に立ったのかは不明。犯人が明かされた後は法律の専門家による「こういうことは犯罪だからやっちゃいけませんよ」という解説がつく。…この部分、結構長いので、飛ばしました。

 

ストーリーは凝っている

この番組の良いところは推理ものとしてよくできているところだ。ストーリー展開の意外性は出色。起こる事件はレギュラー陣の誰かに纏わるものなので、事件の中でその人の過去が分かっていくような作りになっている。

犯人当てはかなり難しく、推理団の証拠探しが成功するかにかかってもいる。犯人を特定する証拠が最後まで見つからなかった、なんてことも。(まあ、真犯人が当たらなくても、観ている側としては十分面白いからいいんだけど。)

レギュラー出演者だから犯人じゃない、と思ったら大間違いで犯人だったりすることもあるので油断ならない。

 

事件は二転三転するような展開が用意されていて面白いのだけど、全編を通しての謎、というのもあり、これが解き明かされてゆくのは後半になってから。アパートの一部が異空間と繋がっている、という辺りから物語は複雑になり(でも筋は通っている)、やがてどうして彼らがこのアパートに集まってきたのか、その理由も明らかになる。

 

最終話、こうした展開になる推理バラエティというのは観たことがなかったので、とても新鮮だった。

ちらちら出る情報を見ていると、どうやら第2シーズンではこの辺りが強化されていそうで楽しみ。

 

出演者同士のやり取りを促すギミック

配役があるとはいうものの、ほぼ皆素のままなので、やり取りが楽しい。

出演者同士の会話が弾むようなギミックもあって、その一つが「食堂」だ。

 

アパートにはバイキング形式の食堂があり、実際に食事を取ることができる。というより、多分仕出し弁当の代わりで昼食、夕食をここで取っているようだ。割に美味しそうな料理が並んでいて、白宇が実際に麺を打っていたこともあった。(皆フツーにもらって食べてた)

 

食事には料金が設定されている。皆アパート内ネット通貨みたいのを持っていて、それで支払うのだけれど、その残金が操作されていてしばしば代金が払えない、という事態が起こる。そこで誰かに借りたり、奢ってもらったりというのが発生し、会話のきっかけづくりとなっている。

後半になれば出演者同士も仲良くなってくるのであまり心配ないけれど、前半はこのようなちょっととした仕掛けは巧く作用していたように思う。ちなみに食事パートのやりとりは主にメイキング等で公開されていた。

 

この番組、かなりタイトなスケジュールで収録したようで(男性陣の髭の伸び方を見ると夜中近くまで収録しているようだ)、食堂以外でもみんな消えもの(小道具として用意されたお菓子類等)をパクパク食べてた。特に食べてたのが白宇と劉宇寧。…一番年上のはずなんだけど。

「開始推理吧」微博より第2季ポスター 場所も時代も増えて展開が楽しみ

第2シーズンは洋館が舞台?

予告編を見ると、セットの規模はかなり大きくなった模様。洋館…というよりちょっとした街のオープンセットが用意されているようで、時代も複数あるらしい。(ポスターには1924年、1988年、2004年、20??年の文字が見える。)最新の予告によれば??は未来らしい。複数の時代を行き来しながら物語が進むのか、過去の事件との関連を探るのか?

 

出演者は白宇、刘宇宁、周柯宇が第1シーズンから引き続き登場。加えて迪麗熱巴・張凌赫王迅が参加。王迅という人は私は知らなかったけれど喜劇俳優でバラエティ番組「极限挑战」のレギュラー出演者とのこと。第1シーズンの郭麒麟のような立ち位置(話し合いや解説シーンでの司会)なのかもしれない。

システムにも変更が加えられたようで、どうやら「共犯者」のシステムがあるらしい。推理団6名のうち4人が容疑者、そのうち一人が真犯人で、真犯人は探偵役2人のうち1人を共犯者として指名出来るらしい。共犯者は犯人が嫌疑を晴らす手助けをするのが仕事、とのこと。…実際どんなふうにシステムが作用するのか分からないけど、犯人当ては一層難しくなったようだ。

 

怖がり度、という意味では周深と郭麒麟がいなくなってしまって刘宇宁一人に…。本人は直播で「怖くない」って力説してたけど予告では早速悲鳴が…(笑)。

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推理バラエティというジャンルは日本では殆ど見られなくなってしまった。理由は簡単で、トリックや物語を考えなければならない上、それなりにセットや準備も必要で、手間とお金がかかるから。(それならドラマにしてしまった方が効率がいい)でも予算と人手が潤沢な中国では結構沢山作られているようだ。

その中でも特に評価の高かった今作、細かい話は分からなくても楽しめるので、お時間があれば是非。

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題名:開始推理吧 开始推理吧 The Truth

導演:陈晓翎(「密室大逃脱」「明星大侦探」…このジャンルが専門みたいだ)

編劇:小苕葶、解璇 2022 30集

出演:白宇 Bai Yu 刘宇宁 Liu Yuning 宋祖儿 Lareina Song Zu'er 周深 Zhou Shen

   周柯宇 Daniel Zhōu Keyu 郭麒麟 Kevin Guo

 

題名:开始推理吧第二季 詳細不明

出演:白宇 Bai Yu 刘宇宁 Liu Yuning 周柯宇 Daniel Zhōu Keyu 迪麗熱巴 Dilreba 
   張凌赫 Zhang Linghe 王迅

 

 

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