「古相思曲」と２つのショートドラマ　後編

「古相思曲」の知竹監督の以前の作品「東欄雪」「長公主在上」の二つも見てみた。

どちらも一話２分という、趙ショートドラマだ。

果たして２分という短い時間で、ドラマが成立するのか？

２分と言えばニュースの特集程度の長さ。物語を語れないわけではないけれど、少しでも長くインタビューを使ったり、情緒的なカットを入れたりするとあっという間にオーバーするような尺数だ。

結論から言うと、どちらも見事に成立していた。すごいわ。

予告もついているので（一枚絵だけど）毎日一話更新とか、そういう感じだったのではないかと思われる。

「長公主在上」が一作目、「東欄雪」が二作目（続編ではない）で、主役は両方とも共通で锦超と圻夏夏（二人ともその後「長月燼明」に出演しているけれどあんまり記憶にない）。

物語はどちらも架空王朝の宮廷劇。「長公主」は権勢を振るう長公主とスパイとして送り込まれた青年の物語。「東欄雪」の方は太子の座を争う七皇子とその参謀の宮女の物語。どちらも陰謀あり、剣戟あり、命の危機ありのシリアスな展開で、もちろん恋愛も描かれる。

ここから先は若干ネタバレしています。

-----------------------------

驚くのは２分（実際には２分半くらい）の間に毎回ちゃんと山場があること。ちなみに脚本も監督自身が書いている。各話の終わりには次の視聴を促すクリフハンガー的展開も用意されていて、見る側を飽きさせない。

総合すれば網路電影くらいの長さになるのだけれど、２分半ごとに山場を作り、話を進めながら、というのは電影を一本作るよりずっと難しい。刈り込めるだけ刈り込んでカットを詰め詰めにしているのだけれど、情緒的なシーンはそれなりに尺を取っているあたり手際がいい。スマホ仕様なのかアップ多めで、多分映らないところは全然作りこんでなさそうなセットだけど、背景も美しいし、何より主役二人を美しく撮影しているのも良い点。