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「致命遊戯」で登場する民間伝承って?(~14集)

「致命遊戯」、中国ではわずか1日しか配信されなかった作品だけれど、日本ではWOWOWさんが放送してくれることになった。

主人公二人の関係性もさることながら、ゲーム世界でのホラーテイストな謎解きが面白い本作。ドラマ内でも説明されているけれど、どんな民間伝承なのか、ちょっと詳しく調べてみた。

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「致命遊戯」微博より 配信は停止になったのにマカオでファンミーティングは行われた?

どんなドラマ?

あらすじは大体こんな感じ。

 

闇で出回っている製作者不明のゲーム「霊境」の12の扉を開けてしまった凌久時(黄俊捷 飾)はゲームの中で阮瀾燭(夏之光 飾)に助けられる。ゲーム内には様々な罠が仕掛けられており、プレイヤーが死ぬと現実世界でも命を失ってしまう。凌久時は阮瀾燭がリーダーを務める「黒曜石」のメンバーとなり、ゲーム攻略に乗り出す…。

 

お話の殆どはゲーム内の世界で展開される。各扉の中には「民間伝承」「都市伝説」等をベースにした世界が広がっており、手掛かりを探し謎を解かないと脱出できない。選択を間違えれば死に直結する。

命がけのゲームには多くの参加者がいて、彼らをアテンドして無事に脱出させる「組織」が幾つも存在。主人公たちは他のプレイヤーと協力したり出し抜いたりしながらクリアを目指し、ゲームそのものの謎を解こうとする。

 

ドラマにはそもそもヒロインがいないし、凌久時と阮瀾燭の関係性はBL風味。ただ、それよりもホラー系RPGをそのまま映像化したような謎解きの過程が面白い。ベースになっている伝承も、中国だけでなく世界各国のお話を採用、バラエティに富んでいる。

 

最初の扉「雪村」

最初の扉はいわばチュートリアルなので、ベースになっている伝承はないのかもしれない。

「雪山の妖女」で検索すると日本の雪女がヒットしてしまう。台湾にも声を掛けると山奥に連れ去られてしまうという女性の妖の伝承があるみたいだ。

まあ、古井戸から黒髪の女性が這い出てくる姿はどう見ても…(笑)。

 

第二の扉「菲尔夏鸟」

ヒントとして出されるのはグリム童話「フィッチャーの鳥(まっしろ白鳥/水かき白鳥)」。「青ひげ」の類話で、開けてはいけないと言われる扉を開けてしまう少女の物語だ。

 

童話はドラマより残酷で不思議な感じだ。三人姉妹が魔法使いに攫われるのは同じだけれど、「開けてはいけない」と言われる禁断の扉の向こうで待っているのは娘たちのバラバラ死体。魔法使いからは「卵を割ってはいけない」と言われるけれど、実は卵は落としても割れない代わりに「血がついて取れなくなってしまう」。卵を別の部屋に置いてから禁断の部屋に行き二人の姉の遺体を見つけた末娘は、バラバラになった姉たちの遺体をきちんと並べ直す。すると遺体はくっついて姉たちは生き返る。

魔法使いを騙して実家に籠に入れた姉たちと金貨を運ばせ、その間に自分は蜂蜜を塗った身体に白い羽をくっつけ、奇妙な鳥の姿になって城を脱出する。この部分が題名の由来で「何処から来たの?」と尋ねる旅人に「フィッチャーさんの家から」と答えるのだ。ちなみにフィッチャーという人物は物語の何処にも登場しない。

 

ドラマの三つ子も薄気味悪かったけれど、童話の方はあんまり情景を想像したくない感じだ。卵と血の話は心理学者が喜びそうな話だし、姉たちの復活やその後頭蓋骨に花嫁の格好をさせ魔法使いを欺く下りがなんとも気味悪い。

 

第三の扉「阿姐鼓」

次の扉のヒントになるチベットの民間伝承。ドラマでは姉妹の愛憎極まる因縁話(人の皮を被ってその人に成り代わる辺り、聊斎志異の「画皮」の物語が混じっている)になっていたけれど、元の伝承はもう少し単純。

双子の姉妹のうち唖者の姉が突然失踪してしまう。妹は姉を捜し続けるがある日、高い山の上から太鼓の音が聞こえた。途中で出会った老人に尋ねたところ、それは娘の皮で作られた太鼓の音だと聞かされた。彼女は自分の姉が語りかけているのだと気付いた、というもの。

 

チベットでは死は必ずしも終わりではなく自然への回帰であり輪廻であり、唖者は地上に降りてきた神であると考えられているのだそうだ。一見残酷に思える話だけれど、ある種の悟りの物語なんだそう。この伝承をテーマに朱哲琴Dadawaは「阿姐鼓」という曲を作っている。

 

ちなみに人の皮で作られた「人皮鼓」というものも中国には実在するようだ。腐敗した役人の頭蓋骨と皮で作った、とかなんとか。…やだ。

 

第五の扉「佐子」

次の扉のヒントは日本の童謡「サッちゃん」に纏わるもの。実はこの扉が一番怖い…気がするのは知っている話だから?

 

「サッちゃん」の歌詞は3番までだけれど、都市伝説では4番があることになっている(もっと多いものでは10番とも88番とも)。ドラマではこの都市伝説が採用されている。ドラマの中で使われている中国語の歌、歌詞はほぼ日本の童謡そのままだ。メロディが何とも嫌な感じで、なるほど「サッちゃん」という歌は曲が明るいからそこまで妙な想像をしないで済んでいるんだ、とも思う。

そもそもの「サッちゃん」は「小さいからバナナが半分しか食べられない」幼女なのだけれど、4番目の歌詞に纏わる都市伝説では中学生くらいの少女に置き換えられている。この都市伝説がいつ頃生まれたのかは不明だけれど、かなり古くからあるような気がする。

 

ドラマで登場する学校の様子は何となく「学校の怪談」やら「トイレの花子さん」を思い起こさせ、気味悪さが倍増されてしまう。…学校ってなんでこんなに怖いんだろう。

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ホラーはよく観るし大好きだし「阿姐鼓」まではさほど怖いとは思っていなかったのに「佐子」だけは何となく背筋がぞくぞくするような居心地の悪さを感じる。

 

都市伝説は個人的な経験や記憶と結びついている分、怖いのかもしれない。ちなみに自分が通っていた小学校でも「トイレの天井から青白い足が生えてくる」という怪談があった。実際に見たと生徒たちが言うので、大騒ぎになった記憶がある。

 

ちなみに「致命遊戯」はこの後も「精神病院-雨の中の女-夜哭郎—晴天娃娃—箱女—百鬼夜行」と続くようだ。…最後、百鬼夜行だって。怖。

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題名:致命游戏 The Spirealm 邦題:致命遊戯

原作:西子緒「死亡萬花筒」 編劇:高巍(總編劇)賈洪濤・張元龍

總導演:彭發 導演:路錦程

出演:夏之光 黄俊捷

 

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