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「少年白馬酔春風」結局誰が誰の親?(~最終集)

「大夢帰離」を観終わっちゃってその勢いで視聴中断していたこの作品を視聴。何で中断していたか、というと「少年歌行」の登場人物の名前を思い出せず「百里東君って誰だっけ?」状態だったから。

 

勿論誰が誰の親なのか、は分からなくても十分楽しめるけれど、気になり始めるとすごく気になるのも事実。そこで誰が誰の親なのか、まとめ始めたのはいいけれど、今度はストーリーの大きなネタバレが含まれることに気が付いた。おまけに今作も前作も非常に多くの登場人物がいるので、全部整理する前に観終わってしまった。

まあ、スピンオフが出たりしたら役に立つかも。

 

前作「少年歌行」と「少年白馬酔春風」のネタバレが含まれます。特に「少年歌行」の方は物語の重要な部分のネタバレが含まれるのでご注意ください。それから、そもそも顔も名前も覚えるのが苦手な質なので、間違っている部分があるかもしれません。ご容赦ください。

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「少年白馬酔春風」微博より 百里東君はただ豪放磊落な侠客だけではないところが魅力

まずは「少年歌行」のおさらい

前作「少年歌行」の中心人物は以下の通り。苗字をちゃんと把握しておかないと「少年白馬酔春風」の誰が血縁なのか、さっぱり分からなくなる。

 ・蕭瑟  北離の六皇子。登場時は流行らない宿の主。

 ・無心  実の名は「葉安世」。天外天の少宗主。綺麗なお坊さん。

 ・雷無桀 大侠を目指す赤い服着た男の子。南霹靂堂雷門の弟子。

      お姉さんは雪月城二城主・李寒衣。

 ・司空千落 大槍持った女の子。雪月城三城主・司空長風の娘。

 ・葉若依 虚弱体質だが智謀に長けた女の子。北離大將軍・葉嘯鷹の娘。

 ・唐蓮  雪月城の大師兄。…この人、百里東君の弟子だったのか。忘れてた。

 ・姬雪  百曉堂・姬若風の一人娘。

 

ざっくりストーリーを紹介すると「少年歌行」は朝廷からその身を隠していた蕭瑟が、再び都へ戻る物語。同時に無心が自身のルーツを知る物語であり、雷無桀の成長譚でもある。

蕭瑟は今作に登場する「瑯琊王」の謀反に連座した、として庶民に落とされている、というのが初期設定。

 

「少年白馬酔春風」のストーリー(超ざっくり)

今作の主人公は百里東君。天賦の才がありながら酒造りの方が大事だった青年が「酒仙」と呼ばれる大侠になるまでの物語。同時に前作では詳細が語られなかった「天外天蜂起」の真相が明らかに。

 

最後まで観ると「少年歌行」と一対の物語だ、ということがよく分かる。前日譚というより前作ではぼんやりとしか描かれなかった大人たちの過去の葛藤や恨みや情が露わになり、積み重なった感情のもつれの重みが理解できる。今作を踏まえて前作を見ると、また違った感想になりそうな気もする。

 

少年漫画から抜け出したような戦闘シーンや、集団シーンでの賑やかなやりとりに気を取られがちだけれど今作も前作も登場人物の内面は意外に複雑で、その複雑さが物語に深みを与えている。なので、2つの作品の誰が誰と関係があるのか、を分かっていると作品がより味わい深いものになると思う。

…いろいろ思い出したのは、最終盤になってからだったけど(笑)。

 

今作の登場人物と前作との関係をざっくり紹介

ここから先は今作に登場した人たちが「少年歌行」の誰と関係があったのか、を記しています。前作及び今作のネタバレ全開でないと説明ができない…のでご注意ください。

 

百里東君(侯明昊 飾)→酒仙(雪月城城主)

「少年白馬酔春風」の主人公。登場した時は酒屋の店主(笑)。「天生武脈」を持ち、後に「酒仙」と呼ばれる武術の達人になる。

最近の侯明昊は美貌が眩しい…「大夢帰離」の趙遠舟「異人之下」の王也とか今作の百里東君みたいなちょっと力の抜けた飄々とした役はとてもいい感じに演じていると思う。

 

百里東君は中文版Wikiの説明には「雪月城城主」と書いてあるけど「少年歌行」でお出迎えしてくれるのは槍仙・司空長風(何中華 飾)だし、前作の何処に登場したのかすぐには思い出せなかった。そういえば雷無桀達の前にふらっと現れる酒飲みのおっさんがいたっけ…と思い出せれば大正解。その人です。

北離建国の英雄の一人で皇帝の義兄弟である鎮西侯の孫で、母親も毒医・温氏の娘。…いいおうちの子だ。百里東君の前半生は比較的順風満帆なのに「少年歌行」では人を食ったようなおっさんに…と思うけれど、最終盤の百里東君の選択(とその結果)を考えると、ある種の諦念や絶望が根底にあるんだろう、と納得できる。

 

ちなみに「少年歌行」で百里東君を演じていた言杰が「少年白馬酔春風」では百里東君のお父さんを演じている。えー、あんなに可愛かったのに、とか言わないように。

 

司空長風(夏之光 飾)→槍仙(雪月城三城主)

ドラマ冒頭から百里東君とつるんでた槍遣い。得物が槍な人は他にいないので、この人はすぐに思い出せる。司空千落のお父さん。

無位無官の出身で「司空長風」という名前も自分でつけたようだ。稷下学堂の堂主・李長生改め南宮春水の弟子となり、「少年歌行」の時には雪月城三城主。

中の人、夏之光は「致命遊戯」にも出演している。

 

葉鼎之(何与 飾)→「少年歌行」では故人

百里東君の幼馴染で最も大切な友でもう一人の「天生武脈」保持者。本名は葉雲。父親がかつて現北離皇帝・天武帝百里東君のお爺さん百里洛陳と共に戦った将軍だったけれど、陥れられ一族滅亡に。名前を変えて南訣の雨生魔の弟子となり、百里東君と再会する。

「少年歌行」には「葉」姓が二人いてどっちの父親だか途中まで分からなかった。この人が後にどうなるか、分かっているかどうかでドラマの見方も変わると思うので(途中で嫌でも気が付くけれど)改行します。

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「少年白馬酔春風」微博より 百里東君と同じ資質を持ちながらとても不憫な葉鼎之

〇葉鼎之→無心の父

彼が誰の父親かは、幼馴染で両想いの易文君との再会でほぼはっきりする。易文君は景玉王に見初められ屋敷に閉じ込められ婚礼の日を待っている。屋敷の警護に当たっているのは兄弟子で、当代一の使い手になる資質を持つ洛清陽。…私はここら辺でようやく前作の話を思い出した。一人、また一人と大切な人を失っていく葉鼎之の無念さや無力感というのは作品内で十分描かれていて胸が痛む。

 

〇易文君→皇后(赤王と無心の母親)

葉鼎之の想い人→妻になる易文君は「少年歌行」の無心、及び後継者の座を狙っている赤王の母親。

易文君については百里東君が別れ際に言っていたように「彼は貴女を咎めないと言ったけれど自分は貴女を咎める」という気分になった。もう少し思慮深くあれば葉鼎之が無茶をすることもなかっただろうし、もう少ししっかりしていれば赤王もあんなに悪くならなかったんじゃ…。でも赤王を愛せない理由は景玉王の一方的且つ強引な愛情にもあったりして、前作では「こじれてるなー」と思うだけだった人間関係がかなり具体的に理解できた。

 

〇葉鼎之の周りの登場人物

葉鼎之の周りには後に「少年歌行」でも登場する人物がひしめいている。景玉王は後の北離帝だし、瀕死の葉鼎之を救うのは瑯琊王・蕭若風(「少年歌行」で瑯琊王の遺児を演じていたのと同じ白澍が演じている)、入魔しかけている葉鼎之を助けようとするのが忘憂大師。瑯琊王は後に兄帝に陥れられ非業の死を遂げることが「少年歌行」ではっきりしているし、忘憂大師は無心を育ててくれたお坊さんだ。

ちなみにもう一人の「葉」姓の人物(葉若依のお父さん)も瑯琊王の部下として登場する。

 

〇雷夢殺(完颜洛绒 飾)→雷無桀の父・故人

高笑いが特徴的な稷下学堂李長生の二番弟子。「少年歌行」の時点では亡くなっているけれど、雷無桀のお父さん。雷無桀のお母さんは青龍使で剣心塚心剣伝承人の李心月(終盤近くで白虎・姬若風と共に皇宮前で闘っていた女性)。この物語では最後まで存命だけどその後、南訣との戦で命を落としたようだ。

ドラマ時点で子供時代の雷無桀は登場しない(まだ生まれていない)けれど、お姉さん・李寒衣はちらりと登場。南宮春水に連れられて雪月城に向かう(この時は子ども)。終盤では司空長風の陣営にいる若い女性剣士として登場。葉鼎之討伐に向かう七剣士の一人になった。

雷夢殺の中の人、完颜洛绒は何処かで見た…と思ったら「異人之下」で諸葛青を演じていた人だ。

 

〇唐門

唐蓮の親は登場しない(と思うけれど見逃しているかも)けれど、暗器と毒が専門の唐門自体は登場する。この時百里東君の師匠・李長生が唐門への支援を約束しているし、この時の縁もあって唐蓮は百里東君の弟子になったのかも…とか想像すると楽しい。

 

〇百曉堂・姬若風→姬雪の父

先代の白虎使。他の人に比べちょっと地味な、一対一の戦いを目にするやずっとメモ取っている人。途中まで誰だっけ…と思ってたのは内緒(笑)。ラスト近くの皇宮での戦いが一番目立っていたかも。

 

〇「少年歌行」にも登場するその他の人物

稷下学堂・謝宣

「少年歌行」では度々蕭瑟たちを治療してくれた五代剣仙の一人。今作では学堂でずっと本読んでる書生さん。最終盤に活躍してくれます。

-暗河・蘇暮雨(執傘鬼)

暗河所属の人は独特の格好をしているのですぐわかる。相変わらずお金で偉い人たちからの依頼(暗殺)を請け負っている。葉鼎之を倒した(とされる)七剣士の一人。

-天外天・莫棋宣(白髪仙)

百里東君の恋人・玥瑤の部下。「少年歌行」では蕭瑟に瀕死の重傷を負わせた白髪の人。

国師・齊天塵と師弟・莫衣

「少年歌行」でもやっぱり国師だったりする。任期長いな。莫衣は蓬莱島にて登場。

-大鑑の人たち

怪しげなことを企んでいるらしい濁清以外は「少年歌行」でも続投。

 

…見つけられたのはこれくらい。

他にもちょっとした小ネタが仕込まれていて前作を知っているとちょっと楽しい。

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「少年白馬酔春風」「少年歌行」は表向き派手なエフェクトと明るいノリで少年漫画みたいなテイストだけれど、朝廷の陰謀や白黒つけられない事情を抱えたヴィラン等、案外骨太のストーリーが展開する。美形な男子も沢山出演しているし、武侠ものが苦手、という人にも楽しめると思う。おすすめです。

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題名:少年白馬酔春風 少年白马醉春风 The Young Brewmaster's Adventure

原作:周木楠「少年白马醉春风」 40集

編劇:周木楠、蔺丛鹤

導演:陈宙飞、高峯

出演:侯明昊Neo Hóu Mínghào  何与He Yu 夏之光

 

 

 

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