lienhua’s Dragon Inn 龍門客棧

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一念関山は楽しい②~26集まで

26集で配信がひと段落。公主一行は自国を離れ、敵国で、人質奪還の交渉に臨む。

 

ここでの主人公は公主・楊盈だ。…いや、一行にはもっといろいろあったのだけど、25集・26集辺りの展開で公主が全部持っていってしまった。

ここから先はネタバレしています。

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一念関山 weiboより  公主、凛々しいです


①この辺りの主人公は公主

冷宮育ちの公主(何藍逗 飾)は皇宮の中で誰にも構われず生きてきた。なので、最初の頃の公主は唯の怯えた子どもだ。小柄で、男装すると本当に幼い男の子に見えるし、特使になると言った理由も「侍従と結婚したいから」。任如意(劉詩詩 飾)がこんな幼い公主に一から知識と振舞いを教えることになる。

 

この師弟関係がとてもいい。如意の指導は厳しいけれど深い愛情が感じられるし、公主は素直に如意を慕い、また戦地での人々の悲惨な暮らしや兵士の犠牲を目の当たりにして変わっていく。何藍逗という役者さんは、私はほぼ初めて見たのだけれど、とてもいい役者さんだと思う。

安国皇帝と対等に渡り合う公主は実に「漢前」だ。威風堂々と論じ脅しにも一歩も引かない様は、剣を持たない決闘のようで、しびれるカッコよさだった。宿に帰ってふにゃっとなってしまうのも、また可愛い。

 

如意の師弟関係はもう一つ、安国時代の弟子がいるのだけれど、こっちはなあ…。

長慶侯こと李同光(常華森 飾)。頭も切れ、野心満々で太子の座を狙って皇后もたぶらかしているくせに、如意には師弟の情を越えて執着する。…でもこの人がしっかりしてくれないと、安国の野望は止まらないからなあ…。この人の登場によって寧遠舟の「仕事のできる大人の男」ぶりが際立つのは確かなんだけど。

 

②恋愛より気になる、一行の行く末

他にも于十三(方逸倫 飾)と昔の彼女の話や、元禄(陳宥維 飾)と公主の可愛らしい関係やら、如意と寧遠舟の痴話喧嘩やらいろいろあるのだけれど、寧遠舟が首輔に盛られた毒のせいで死にかけた辺りで、一行も(そして視聴者も)気が付くことがある。…この一行、本当に生きて帰れる?というか、生きて帰ることを両国は許してくれる?

 

もし捉えられてる皇帝を自国に連れ帰ることができても、帝位を狙う皇弟も皇后も歓迎してくれるはずはない(今だって刺客やら軍やら送り込んでくるし)。安国の皇帝は梧国から身代金を搾れるだけ搾り取り、別の国へ侵攻する気満々だから、人質を簡単に返してくれる気はなさそう。中原の北には別の敵国もあるらしく、そちらもちょっかいを掛けてくる。

おまけに当の皇帝本人は、寧遠舟のことは信用できない、と言い、無事に脱出するまで六道堂が忠臣である、という勅書を書いてくれるつもりはないらしい。

 

六道堂も、朱衣衛も結局は官吏、というか公務員。安国の皇帝も梧国の皇帝も、平気で部下を使い捨てる人たち。こんな人たちに仕えてしまった者たちの悲哀、というのは物語のあちこちにちらちらと顔を出すテーマだ。

中国ドラマで登場する「陛下」って結局はいい人だったり、反省して歩み寄ったりすることが多い印象だけれど、今回、本当に上が…だからなあ。どう転ぶんだろう?

 

…多分ここから奪還作戦が本格化するのだろうし、そこはかとなく悲劇の予感もする。中国ドラマは前半と後半の雰囲気が全く変わることも多いけれど、今回はどうなるか。

 

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