「我們的歌第6季」を予習する - lienhua’s Dragon Inn 龍門客棧

刘宇宁が「我們的歌」に帰って来るらしい。毎シーズン歌手の皆さんのパフォーマンスが素晴らしい「我們的歌」ではあるのだけど、番組全体の作りとか、はっきりしない勝敗とか、いろいろ心配な面もあったりする。

そこまで中国のポップスに詳しいわけでもないから知らない歌手も多いので、予習しておこうと思う。

ただ、ちゃんと見たのは第1季と第3季だけなので（他の季は一部だけだったりパフォーマンス部分だけだったり）間違いもあるかも。ご容赦ください。

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「我們的歌」ってどんな番組？

簡単にまとめるとベテラン歌手と新人歌手がデュエットを組み、勝ち抜き戦に挑み、優勝を目指す番組。基本的にAB各々4組ずつで競うことになる（但し途中参加や交代、初回で落選もあるので総参加人数は18名以上）。競い方は毎季マイナーチェンジが行われており、その他の事情もあって複雑だ。

どんな仕組み？

番組が始まった第一季ではベテラン歌手×8名、新人歌手×8名というラインナップだったが、デュエットできる程歌が上手くて人気のある新人、なんてそうそういるはずもない。第3期までは30代の十分なキャリアを持つ歌手も新人扱いにして何とか凌いでいたけど、第4季からは「新声歌手」「中生歌手」「榜样（お手本）歌手」の3つのカテゴリに分かれることに。同じカテゴリ同士は組めない、というルールになった。最初期の人数も各組8名ずつだったのが9名に増員。組み合わせが成立しない1名が敗退することに。

A組かB組かは番組が振り分ける。どちらの組も新声歌手3名～4名、中生歌手2～3名、榜样（お手本）歌手3名といった塩梅。

番組の全体構成

毎季の番組本数は12本。構成も毎季マイナーチェンジがあるが、第5季はこんな感じ。

第1・2回：A組の組み合わせ決めと最初のデュエット（1名が敗退）

第3・4回：B組の組み合わせ決めとデュエット（1名が敗退）

第5・6回：A組B組それぞれのデュエット対決。（ここではどうやら順位決めだけ）

第7～10回：A組・B組の団体戦。

第11・12回：団体戦で勝ち残った？5組による決勝戦

第4回まではルールが比較的はっきりしているんだけど、5回目以降、どうやって出場組を決めているのかは謎だらけ。中国版Wikiに勝敗一覧が掲載されているのだけれど、理解できない（理由は後述）。とにかくA・B組から各4名が登場し、団体戦となり勝敗を競う。8回終了時点で一組がいなくなり、10回終了時点でも一組いなくなる。

団体戦のパフォーマンスは面白い。何人で歌っても良いので、4人全員だったり新しい組み合わせのデュエットだったり、3人だったり。曲によってはダンスしたり凝った演出があったりで楽しい。第3季の「雨一直下」（演唱：戴佩妮/周笔畅/刘宇宁）とか第1季の「浪子回头」（任贤齐/罗琦/刘宇宁）は素晴らしいパフォーマンスだった。

勝敗は気にしてはいけない

この番組の一番の難点はこれ。

番組は一応勝ち抜き戦で、会場の投票（と確かネットの投票）で決まる…はずだが、これが多分に作為的だ。団体戦は負けたチームから一組落ちる、はずが翌週になると勝ったチームから一組落ちていたり（第3季の周笔畅/单依纯組）、5位の組が落ちるはずが翌週になると4位の組が落ちていたり（第1季の任贤齐/刘宇宁組）。あからさまに得票数が隠されたり、順位が発表されなかったり、ということもしばしば起こる。

大御所を落とすわけにはいかない、という事情は分からないわけではないが、じゃあ勝負形式にしなければいいんじゃ…。第5季の勝敗一覧が理解不能なのは、第5季でも謎の力が働いて団体戦に出場する組や敗退する組が決まっているからなのかも。

この勝敗に関する不透明な処理については真面目に観ていると腹が立つので、勝敗は制作側の都合かスケジュールが合わなかったのね、くらいに考えた方がいいと思う。

司会者の態度も気にしてはいけない

司会者は林海。元中央電視台の司会者だったせいか、基本的に偉そう。…大御所上げが凄くて、新人には塩対応だ。番組全体としてインターネット出身者にアレルギーがあるらしく、新人がソロで歌ってその実力を見せるパートでも、彼らの分だけ放送されないことも。

そもそも100分の番組で6曲～7曲のパフォーマンスしかないので（平均5分だとしても歌は35分間）その他の部分はお喋り中心、ってことになる。歌う順番を決めるミニゲーム等もあるけど（これもしばしば番組の都合で結果が変更される）番組全体が冗長なのは否めない。

歌やパフォーマンスに関する歌手自身の話は面白いのだから、普通にインタビューすればいいと思うんだけど、司会者のくせにあんまり人の話聞かないんだよなあ。

一番心配なのは最初の組み合わせだったり…

第3季からはA・B組とも奇数参加者になり、1名がデュエットが組めず敗退することになった。この組み合わせ決めが案外心臓に悪い。以下は組合せ決めのおおよそのの流れ。

①榜样歌手が中生歌手と新声歌手の歌を覆面で聞いて相手を選ぶ。

②（一応？）リハなしのデュエット

③残った中生歌手と新声歌手は、自分もその榜样歌手と組みたいと思ったらボタンを押す（第5季は一曲歌い終わってから電話、になった）

（④第5季からは、電話を掛けた歌手ともう一曲歌う）

⑤互いにボタンを押せば組み合わせ成功、そうでないと失敗

成功率は…低い。第2・4・5季はすんなり成立したのはAB併せて2組だけ。第3季が4組で一番高い。上手くいったと思われるデュエットでも本人（特にベテラン組）は不満があるのか、よく拒否る。ではどうやって組が成立するかというと、その場での話し合い、というか「やっぱこっち来ない？」「相方、交換する？」とかそんなので決まる。出演者が場の空気を読んでいるのか、それとも…。この辺りも何となく製作者側の意図を勘繰ってしまう部分。

誰が何を歌うのか？

番組への愚痴はともかく、第6季、誰が誰と組んで何を歌うのか、だ。

「我們的歌」のタイトルの通り、この番組は「往年のヒット曲をベテラン歌手と新人歌手がデュエットする」というのがコンセプト。…なのだけど、選曲は人によって様々。選曲はどうやら歌手本人達に任せているらしいので、シンガーソングライター系は自曲を中心に選曲するし、割と新しいヒット曲を選ぶ人もいる。アレンジに関しても歌手本人の意向が大きいようだ。

今のところ判明している歌手は以下の通り。正直意味不明の似顔絵が公式微博に載っていて、数えると26人だそうな。バトルシステム自体にも大きな変更があるとかないとか。

第4季までは香港の大物歌手が一人くらいは入っていたのだけれど、第5季はいなかったなあ。今季はどうなんだろう。

張清芳 Chang Ching-Fang：榜样歌手

1966年生まれ。台湾・女性歌手。

代表曲：「花雨夜」2009「大雨的夜裡」1996「雪下得太早」1992等。

…いきなり知らない人だけど、1990年代に台湾で活躍した大御所のようだ。最近でも台湾でコンサートを開いているので、現役。曲をいくつか聞いてみたけれど懐メロとか歌謡曲に近い印象。

戴佩妮 Penny Tai：榜样歌手

1978年生まれ。マレーシア・シンガーソングライター。

代表曲：「怎样」2001「街角的祝福」2002等

第3季では刘宇宁と組んで、最終戦にまで進んだ。第3季での選曲は自曲と他人の曲と半々くらい。第3季を観るまで名前だけ知っている人、だったんだけど中国での知名度はどのくらいなんだろう？スタジオで自分の歌以外歌わない人、と（司会者に）言われていたけど、今季はどうする？

大张伟WoWkie Da：榜样歌手

1983年生まれ。中国・男性歌手。

代表曲：「阳光彩虹小白马」2018等。

第3季以降皆勤賞。第3季では汪苏泷Silence Wongと、第4季は「快楽男声」出身の焦迈奇Jiao Maiqiと、第5季はアイドル出身の符龙飞と組んで、いずれも最終回まで進んでいる。歌そのものよりパフォーマンス重視で、他人の曲でも全部この人が作ったみたいに聞こえる不思議。第3季最終回で「大娱乐家的深情就是个笑话」を歌い終わった後、出演者が全員しんみりしちゃった光景は忘れられない。

毛不易Mao Buyi：中生歌手？

1994年生まれ。中国・シンガーソングライター。

代表曲：「消愁」2017「不染」2018「平凡的一天」2018等

歌番組に登場しても殆ど誰とも話さない人なので、出演すると知ってちょっとびっくり。確かにOSTではデュエット曲もあるけれど、得意には思えないしなあ。年齢的には中生歌手、だけど正月の春晩なんかの扱いを見ると榜样歌手枠な気もする。…誰と組むのか、興味津々。

刘宇宁 Liu Yuning：中生歌手？

1990年生まれ。中国・男性歌手。

代表曲：「黑夜一束光」2019「奉上」2023等

第1季、第3季に続いての出演。もう新声歌手じゃないよね…。第1季は任贤齐と組んで第10回まで、第3季は戴佩妮と組んで最終戦まで残った。レパートリーは広いしデュエットも得意だし、パフォーマンスに心配はないけれど、問題は誰と組むか、だ。

陈丽君：新声歌手？

1992年生まれ。中国・女優/歌手

中国の二大伝統演劇の一つ（らしい）越剧の女優さん。芒果TVの歌番組「乘风2024」で2位だったらしい。面白いキャスティングだ。

Michael Learns to Rock（MLR）